2026年、ホンダ「アコード」が誕生50周年を迎えました。世界累計販売台数は2500万台を突破し、いまなお世界160以上の国と地域で販売されるホンダのグローバル戦略車です。
現行型は全長約5m、価格も500万円超と、かつての身近なセダンとは大きく姿を変え、日本ではSUV人気の高まりやセダン市場の縮小もあって、かつてほど街中で見かける存在ではなくなっています。
それでもアコードは、なぜ半世紀もの間、世界中で支持され続けてきたのでしょうか。その歩みを振り返りながら、2500万台超という偉業の理由を探ります。
文:吉川賢一/写真:HONDA、ベストカーWeb編集部
【画像ギャラリー】愛され続けて50年 ホンダのグローバル戦略車の最新モデル ホンダ「アコード e:HEV Honda SENSING 360+」(21枚)画像ギャラリーアコードはなぜ2500万台も売れたのか
2026年5月8日に初代モデル登場から50周年を迎えたホンダ「アコード」。米国を始め、アジアや欧州などにも展開され、ホンダによると世界累計販売台数はなんと2500万台以上。
トヨタのカローラシリーズ(2024年12月時点で累計5500万台)や、フォルクスワーゲンの「ゴルフ」(2024年4月の50周年の時点で3700万台)には及ばないものの、SUVやハッチバックなども含むカローラとは違い、(世代によってクーペやワゴンが設定された時期はあるものの)基本的にセダンを主軸としてきたモデルがここまで販売実績を積み上げてきたことは驚異的といえます。
アコードが世界的ヒットモデルへ成長した大きな要因のひとつが、米国市場で確固たる地位を築いたことです。
1976年に登場した初代アコードは、当初より米国に輸出されており、CVCCエンジンによる優れた環境性能と実用性を武器に評価を高めましたが、その成功を決定づけたのは2代目の米国現地生産でした。ホンダはオハイオ州のメアリーズビル工場で1982年にアコードの生産を開始し、日本メーカーとして初めて米国で乗用車の現地生産を実現します。
以降、アコードは、米国ユーザーが求める広い室内空間、高い信頼性、優れた燃費性能、そして運転のしやすさを高いレベルで両立。特定の性能を極端に追求するのではなく、多くのユーザーが求める価値をバランスよく磨き続けたことが、長年にわたる支持につながったと考えられます。
その評価は高く、米国の権威ある自動車専門誌「Car and Driver」の「10Best」では単一車種として最多となる受賞記録を持つなど、長年にわたり高い支持を集めています。2500万台という数字は、半世紀にわたって世界中のユーザーから積み重ねてきた信頼の証なのです。
本質を変えずに時代に合わせて磨いてきた
アコードは、時代の変化に応えながらも、自らの軸をぶらすことなく進化を続けてきました。
1976年に登場した初代アコードは、厳しさを増す排出ガス規制への対応が求められる時代に登場。先ほども少し触れたように、世界一厳しいとされた米国の排ガス規制(マスキー法)をクリアした画期的な「CVCCエンジン」による優れた環境性能と、高い実用性を武器に国内外で支持を集めました。
1985年登場の3代目では、セダンとしては極めて異例のリトラクタブルヘッドライトや、FF量産車世界初となる4輪ダブルウィッシュボーンサスペンションを採用。さらに1989年登場の4代目では、当時としては先進的だった4WS(四輪操舵システム)を設定。プレリュードで培った技術をセダンへ展開し、取り回し性能と高速安定性の向上を図りました。実用セダンでありながら、常に新しい技術へ挑戦してきた点は、アコードの大きな特徴のひとつです。
その後は米国市場の成長に合わせてボディサイズを拡大し、快適性や安全性を向上。米国の「ファミリーカー」としての絶対的な信頼を勝ち得ながら、グローバルセダンとしての地位を確立していきます。
環境性能、安全性能、走行性能、快適性など、求められる価値は時代とともに変化しますが、アコードはその変化に応えながらも「世界で通用する上質なセダン」という軸を守り続けてきました。こうした基本性能を磨き続けてきたことこそが、アコードが50年にわたり支持されてきた背景にあるのではないでしょうか。

























コメント
コメントの使い方