注意!! 雨粒を自動ブレーキ用カメラが認識する!?? アイサイトと撥水コーティングの落とし穴

 5月中の本州は過ごしやすい初夏の陽気となっているが、6月に入ると雨が増える梅雨の時期となる。6月1日現在、すでに沖縄地方、奄美地方、九州南部地方、四国地方が梅雨入りしたと発表されている。

 東海、関東甲信地方では、2020年は平年(6月8日ごろ)より1週間程度遅い梅雨入りが予想されているが、梅雨になるとクルマも若干の準備をしておきたいところだ。

 そのひとつが視界確保のための「窓ガラスのコーティング」で、当記事ではガラスのコーティングについて知っておきたいポイントをまとめてみた。

文/永田恵一
写真/Adobe Stock(jittawit.21@Adobe Stock)、SUBARU

【画像ギャラリー】便利だけど…撥水コーティングする前にディーラーに相談してもらいたい自動ブレーキ


■窓ガラスのコーティングの種類

 ガラスのコーティングは大きく3つに分かれる。

●撥水 …… フロントガラス向き
 ガラスのコーティングで代表的なのが撥水コーティングだ。撥水コーティングを施工するとガラスに着いた水が水滴となり、フロントガラスに施工すれば60km/h以上のスピードになると走行風で水滴が吹き飛ぶので、前方の視界確保には非常に有効だ。

 またガラスの撥水コーティングはガラスに塗り込むイメージのシリコン系と、ガラスに定着させるイメージのフッ素系に分かれる。シリコン系は撥水性の高さと価格の安さ、フッ素系は耐久性の高さという強みがある。

 そのため主にプロの施工となることが多いが、下地にフッ素系、その上にシリコン系でガラスをコーティングし、それぞれのメリットをもつ2層コーティングというものもある。

こちらが撥水コーティング(フッ素系)の雨粒の様子。撥水性はシリコン系、耐久性はフッ素系が優れている

●親水 …… フロントガラス以外向き
 親水コーティングはガラスにコーティングで膜を張り、雨水を流れやすくするというもの。ガラスに膜を貼るので特に雨天だと視界に歪みができるというのが大きなデメリットとなる。

 その代わり、走行風が当たらなくても効果があるため、フロントガラス以外のサイド、リア、ミラーに施工するのに向いている。

●滑水
 撥水、親水に続くガラスのコーティングの新勢力としてここ2年ほどで登場したのが滑水コーティングだ。

 滑水コーティングは撥水コーティングに水滴の滑りやすさが加わったもので、施工してあれば停止中でも水滴が下に落ちていくという。施工方法はスプレーで、スプレーした後にワイパーで作動させる必要があるため、フロントガラス用、リアワイパーのあるクルマならリアガラスに使ってもいい。

 まだ新しいものなこともあって、撥水コーティングのような高い耐久性はないとのことなので、マメに施工する人や「雨が降ってきたのでその場で施工する」といったケースには向いている。

■カメラを使った自動ブレーキ&運転支援システム装着車にガラスのコーティングを行う場合

 新車だけでなく中古車でもカメラを使った自動ブレーキ&運転支援システムが着くのはもう当たり前である。その場合もしクルマが2つのカメラを人の目のように周囲の情報源に使うスバルのアイサイトだった場合は、フロントガラスの撥水コーティングにはちょっと注意が必要だ。

 というのもアイサイト付のスバル車は、現行レヴォーグ以前のver.2までは撥水コーティングNG、ver.3以降はスバルディーラーで施工する専用のもののみOKとなっているのだ。

正常に機能させるために、やってはいけないことが結構あるアイサイト。とはいえ、どのメーカーの先進安全装備にも、禁止事項は必ずある。正しく使うために、取扱説明書を一度は読んでもらいたい

 ver.2までのアイサイトが撥水コーティングNGなのは「撥水コーティングで水滴が大きなものになるとカメラが誤認識をしてしまうことがある、コーティングが劣化してできた油膜によるギラツキも、夜間や逆光時の誤認識につながることがあるため」と言われている。

 ではver.3以降は撥水コーティングが専用のもののみOKという理由は、ひとつはカメラのカラー化に代表されるカメラの性能向上だろう。

 もうひとつは、アイサイト専用の撥水コーティングはフッ素系のものとなっており、前述したようにフッ素系はシリコン系に比べ耐久性が高く、撥水性はシリコン系に劣るためその分大きな水滴にならないことで、ver.3以降のアイサイトなら総合的に見て使用できるという判断になったのだろう。つまりアイサイトはそれだけ精密なものということだ。

 加えてver.3以降のアイサイト専用の撥水コーティングは、プラス3000円程度となる専用撥水ワイパーを組み合わせると、使用時の摩擦低減によりワイパー使用時のビビリ音がなく、撥水効果の長寿命化にも貢献するという。

 なお、アイサイト以外でガラスのコーティングに関する注意を見ることはないが、アイサイトの例を見ると、一応説明書やディーラーなどに確認したほうがいいだろう。

ver.3用の撥水コーティングは、アイサイト(ver.1とver.2)には対応していない。価格は、フロントガラスだけだと約9000円、全面だと約2万2000円となっている

■ガラスのコーティングの施工方法

 第一にガラス自体を油膜を取るなどキレイにしておくことと、ウォッシャー液に入れる、塗り込む、スプレーする(定着の時間や吹き上げが必要なケースもある)といった商品によって異なる施工方法を説明書に従って行うことが重要だ。


 ガラスのコーティングには梅雨は該当しないが、冬場ガラスに着いた霜が落としやすくなるというメリットもあり、アイサイトとの相性など注意を守りながら、できれば常時施工しておくのが望ましい。

 また梅雨を前に雨対策としてワイパーやタイヤの残り溝を確認し、コンディションが悪いようなら安全のために交換しておきたいところだ。

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