スーパーへの買い出しや職場への往復に便利に使えるかと思えば、週末のサーキットをレーサー気分で楽しめたりもするフォルクスワーゲン ゴルフGTI。誕生から50年。半世紀の歴史を刻んだゴルフGTIの最新作「8.5代目」に試乗してみよう。
※本稿は2026年6月のものです
文:嶋田智之/写真:鈴木雅人、フォルクスワーゲン ほか
初出:『ベストカー』2026年7月10日号
悪いところが皆無な唯一無二のコンスポ
ゴルフに乗るのは気が進まないんだよな……と書きはじめて、あれ? と思った。似たような出だしでレポートを書いた記憶があったからだ。過去の原稿を探すと、ちょうど10年前、ゴルフGTIが40周年を迎えた際の試乗記だった。
冒頭に続いてこんなことが書いてある。「ゴルフが悪いわけじゃない。悪いところなど何ひとつない。むしろ逆。あまりにもよくできてるおかげで、それまで積み上げた自分の価値観のようなものがどうでもいいように思えてくる。クルマって、これでいいんじゃない? というか、これだろ」。
つまり僕は10年前にもまったく同じことを感じていたわけだ。けれど不思議なことなんて何もない。考えてみたらゴルフGTIは歴代のすべてが、徹頭徹尾そういうクルマなのだから。
この50年の間にゴルフGTIは進化を重ね、スポーツ系ハッチバックのベンチマークであり続けている。第8世代の改良版であることから“8.5”と呼ばれる現行ゴルフのGTIも然り。走らせて、僕はやっぱり軽い衝撃を受けた。
トータルバランスの良さが唯一無二!!
“8”のGTIよりパワーを20psアップさせ、265psを発揮するパワーユニットは、微速域からたっぷりとしたトルクを提供してくれる。穏やかで暢気なドライブを許してくれるし、そのくせ右足に力を込めていくと「0-100km/h=5.9秒」という爽快な加速力を披露してくれるのだ。
少しばかり古典的なサウンドも悪くない。ありのままに気持ちいいし、速さだって充分以上だ。
ハンドリングも小細工感のない極めて自然なフィールで、曲がり方もスッキリと素直。ちょっとやそっと攻め込んだぐらいでは綻びひとつ見せず、驚くほどの安定感と安心感を感じながら、素晴らしくニュートラルな姿勢を保ったままコーナーを素早くクリアしていける。
しかも、オプションのアダプティブシャシーコントロールの効果も大きいのだろうが、8.5のGTIは乗り心地がずいぶんよくなった。快適なのだ。走りに死角らしい死角がほとんどないのである。
実用性も含め、それらが強烈に高いトータルバランスの輪を描いている。こういうクルマは唯一無二、ゴルフGTIだけだ。500万円台半ばという価格が、とんでもなくコスパのいいものに思えて仕方がない。
【画像ギャラリー】これぞ元祖ホットハッチだよ!!! 50周年を迎えた「ゴルフGTI」の完成された姿を見てくれ(20枚)画像ギャラリーニュルFF最速の称号を奪還
記念碑モデル「GTI エディション50」が、ニュルブルクリンク北コースで7分44秒523という脅威的なタイムを叩き出した。シビックタイプRが所持していた7分44秒881を上回り、FF市販車の頂点へと返り咲いた。
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