燃料は節約できても専用バッテリー代まで取り戻せる?
安全性を保ちながら、停車中の燃料消費を抑えてくれる自動アイドリングストップですが、ガソリン車のアイドリングストップ機能に関しては、いま採用を見送る車種も増えています。
その理由のひとつとして考えられるのが、燃料代の節約効果と、専用バッテリーにかかる費用とのバランスです。たとえば、10分間のアイドリングで消費する燃料を、先ほど少し触れた一般的な2.0Lクラスのエンジン車での約130ccとした場合、1時間に換算すると約780ml。仮にレギュラーガソリンを1.0Lあたり180円とすれば、1時間のアイドリングに使う燃料代は約140円となります。
信号待ち1回あたりの停止時間は数十秒から長くても数分程度ですので、1回ごとの節約額はごくわずか。もちろん、毎日の通勤などで利用する人なら積み重ねによる効果は期待できますが、アイドリングストップ車には専用のバッテリーが必要であることも考慮する必要があります。
ガソリン車の自動アイドリングストップには、停止と再始動を短い時間で何度も繰り返すことに耐えられる高い性能と耐久性をもつ専用のバッテリーが必要です。通常車用バッテリーと比べて価格が高くなる傾向があり、一般的にアイドリングストップ車用バッテリーの価格は通常車用の約1.5~2倍にもなります。
交換サイクルも早まります。通常のバッテリーは一般的に3~5年が交換サイクルであるのに対し、アイドリングストップ車用のバッテリーはその半分の2~3年で交換が必要になるケースも。価格差と交換サイクルを単純に当てはめると、長期間のバッテリー費用が通常車より大幅に増える可能性があります。
環境面でも一概に「エコ」とはいえません。アイドリングストップをすることで、CO2を削減する効果は期待できますが、専用バッテリーの製造や交換、回収、再資源化まで考慮すると、総合的な環境評価の観点ではエコだといいきることはできません。
ただし、これはガソリン車のアイドリングストップについての話。ハイブリッド車は、エンジンとモーターを走行状態に応じて使い分け、発進から減速までを一体で制御することで燃料消費を抑えているため、ガソリン車のアイドリングストップとは分けて考える必要があります。
こうしたことから、近年は、新型ガソリン車においては、アイドリングストップ非搭載モデルが増えています。停車中の燃料消費とCO2排出を減らせる一方、その効果は走行環境によって変わり、高価な専用バッテリーも必要です。燃費改善効果に対するコストや、専用バッテリー、再始動機構の負担などを総合的に判断し、搭載を見送るメーカーや車種が増えていると考えられます。
なお、アイドリングストップを普段からOFFにして使えば、エンジンの停止と再始動が減るため、バッテリーの負担を抑える効果は期待できます。ただし、機能を使わないからといって、安価な通常車用バッテリーへ交換してよいわけではありません。アイドリングストップ車には専用バッテリーが指定されているため、交換時には必ず車種に適合する製品を選ぶ必要があります。
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手動でエンジンを切る行為と自動アイドリングストップは区別すべきですが、ガソリン車のアイドリングストップに関しては、総合的に考えると、エコとは言い切れない部分もあります。積極的に使う価値があるのかは改めて考える必要がありそうです。
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