災害時に「車中泊」を行う場合、レジャーとしての車中泊経験者は慣れているが、未経験の人には戸惑いの連続だろう。ここでは車中泊雑誌「カーネル」編集長の大橋保之氏に、緊急時車中泊の注意点をQ&A形式で解説していただいた。
※本稿は2026年8月のものです
文:大橋保之(車中泊雑誌「カーネル」編集長)/写真:AdobeStock、ベストカー編集部 ほか(トップ画像=Kazu8@AdobeStock)
初出:『ベストカー』2026年9月26日号
Q:クルマで避難することは推奨されていないのでは?
A:クルマで避難することと車中泊避難は異なる。
いまだによく勘違いされるのだが、「車中泊避難」とは、クルマを使って避難することではない。クルマを避難所代わりにして、車内で避難生活を行うことだ。
被災して自宅が半壊・全壊したが、避難所の体育館では寝られない。そんな時に、クルマが無事なら車内で寝ることができる、という選択肢のひとつ。
クルマを使用した避難に関しては、国や地方行政などのガイドラインを参考にしてほしい。
Q:車中泊避難のメリットは?
A:車中泊は臨機応変に避難生活を送ることが可能だ。そういった利点を知っておくと選択時の基準になる。
大きなメリットはプライバシーの確保。ロックできるのも大きい。移動避難所として避難場所をある程度選べ、生活必需品を載せておける。さらにペット同伴で避難生活が送れること。
一般の避難所ではペットが苦手だったり、アレルギーを持つ人がいる可能性がある。同伴可の避難所を探す時間がない場合、車中泊を選ぶ人も多い。
Q:エコノミークラス症候群の症状と対処方法は?
A:エコノミークラス症候群の予防は別記事にて紹介しているが、その症状も知っておくべきだ。
急な足の腫れや痛み。息苦しさや胸部の痛み、脈が速くなり、めまいがする場合、初期段階の対処法(予防法と同様)では治せない。危険な状態といえるので、すぐに救急車を呼ぶか医療機関に連絡を。
症状が出たあとは、急な動きやマッサージは絶対に避ける。血栓が肺に流れて詰まり、悪化する恐れがあるからだ。血栓はひと晩でできることも知っておきたい。
Q:「車中泊を続けてはいけない」のサインは?
A:車中泊避難は万能ではない。クルマで眠れない人、慣れずに体調を崩す人もいる。
避難所から遠く、トイレが近くにないことも多い。暑さ・寒さ対策も必要で、防犯上危険な場所もある。前述のエコノミークラス症候群のリスクもある。
自分に合わないと感じたり、体調不良の場合は車中泊を中止。また燃料や充電に余裕がない場合も同様。車中泊避難では、クルマの機動力と空調設備が命綱といえる。残量に不安がある場合は無理をしない。










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