最近のクルマは速くて、デカくて、顔もなんだか怖い。でも、そんなに気合を入れてクルマに乗らなくてもいいじゃないか! 見ているだけで頬が緩む、肩の力が抜けた「脱力系ゆるふわ系」のクルマだって楽しい。今回はオートザムレビュー、スズキマイティボーイ、そして新車で買えるダイハツムーヴキャンバスの3台を紹介しよう。
文:ベストカーWeb編集部/写真:マツダ、スズキ、ダイハツ、ベストカーWeb編集部
ちいかわのような丸っこいボディがたまらない! 絶滅寸前のオートザムレビュー
■オートザムレビュー
■1990年9月~1998年12月
■現在の生息状況/ほぼ絶滅寸前
バブル期に存在したマツダの5チャンネル化によって、まさに泡がブクブクと出てくるかのようにユニークなクルマが次々と登場した。なかでも1990年9月に発売されたオートザムレビューは、今見てもかなり個性的である。
全長わずか3800mmという小ぶりなボディながら、スタイルはれっきとした4ドアのノッチバックセダン。丸っこいキャビンの後ろにトランクをちょこんと付けたようなスタイルは、今のクルマではまず見られない。
当時のオートザム店では、キャロルやAZ-1、OEM供給を受けた軽自動車、さらにランチアのデドラ、テーマ、デルタ、Y10などを扱っていた。そんなオートザム系列に投入された小型乗用車がレビューだった。
そのデザインは、当時のオートザム店で売れ筋だったキャロルにも通じる丸っこい造形である。丸目のヘッドライトに、角という角を丸めたようなボディ。迫力やスポーティさとはまったく違う方向を向いており、いまでいう「ゆるふわ系」と呼びたくなるデザインだった。
しかも小さい。全長3800mmというサイズは現行のコンパクトカーと比べても短く、そのなかに大人4人が乗れるスペースと独立したトランクを用意していた。さらにキャンバストップ仕様まで存在したのだから、なんとも楽しげである。
当時、デビューした時のことをよく覚えているが、「なんでこの時代にこんなクルマが出てくるんだ? マツダは日産Be-1、パオ、エスカルゴに対抗して可愛いクルマを作ったのか?」などと言われたものだ。
ところが時代は残酷だった。発売翌年の1991年頃からバブル景気が崩壊へ向かい、マツダの多チャンネル展開も苦戦することになる。レビューも販売面で大成功を収めたクルマとはいえなかった。
しかし30年以上が経過した今、改めて見るとどうだろう。大型グリルもなければ、鋭いLEDヘッドライトもない。ボディを大きく見せようとするデザインでもない。
それなのに妙に存在感がある。まるで「ちいかわのようなクルマだ。この脱力感がいいのである。
問題は中古車市場だ。2年前にベストカーWebで調査した際には、中古車市場で発見できたのはわずか2台。38万円で走行距離2.4万km、48万円で5.3万kmという状況だった。
現在も中古車市場では1台しかなく、35万円で8.7万km。簡単に探せるクルマではなく、「いくらで買えるか?」より「そもそも売っているか?」を心配しなければならないほどの希少車となっている。
30年以上前のクルマなので、購入するなら機関系やボディの状態はもちろん、補修部品が確保できるか、面倒を見てもらえるショップがあるかといった点まで確認しておきたい。
しかし、この丸っこいスタイルで街を走れば目立つこと間違いなし。怖い顔をした最新SUVの横にレビューを止めたら、それだけで場の空気がちょっと和みそうだ。
レビューよ、もう一度こんなクルマを出してくれ! と思ってしまう。



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