絶大な支持を集め、確固たるポジションを築いてきた人気車だって、ひとつのモデルチェンジがきっかけで奈落の底へ落ちることもある。メーカーが自信を持って送り出したもののユーザーに受け入れられず、不人気の仲間入りを果たした残念な実力車たちを紹介する。
文:木内一行/写真:トヨタ、日産、ホンダ、CarsWp.com
【画像ギャラリー】モデルチェンジで天国から地獄へ……(12枚)画像ギャラリー「ワゴンスタイルからの脱却が裏目に」 ホンダ・オデッセイ(5代目)
日常からレジャーまで使いやすい生活創造車「クリエイティブ・ムーバー」の第1弾として、1994年にデビューしたオデッセイ。
3代目ではコンセプトを一新し、ミニバンでありながら圧倒的な走りと独自の低全高フォルムを実現。続く4代目でも革新の低床パッケージを継承・熟成し、唯一無二の存在として支持されてきた。
そんなオデッセイが大きく変わったのが2013年に登場した5代目だ。セダンライクな走りに加えて従来以上の広さと使いやすさを目指し、超低床プラットフォームを構築。天井を上げるだけでなく床面高を下げることで、先代をはるかに凌ぐ室内空間を確保した。
さらに、リアドアをそれまでのヒンジ式から両側スライド式に変更して利便性を高めるとともに、8名定員仕様も設定された。
パワートレインも、当初は2.4リッター直4のみだったが、2016年にはスポーツハイブリッドも追加。優れた環境性能と力強い走りを実現した。
こうして走りと広さをより高次元で両立したオデッセイだったが、“らしさ”が一気に薄れたことも事実。
また、ミニバンの人気が背の高いボックス型に集中し、オデッセイもそれに合わせて舵を切ったわけだが、絶対王者アルファードと比べるといかんせん中途半端。以前のような独自性や存在感が皆無で、すっかり影が薄くなってしまったのである。
「伝統を捨て去りファンからは拒否反応が」 日産・スカイライン(V35)
プリンス自動車時代からスポーツセダンとして名を馳せてきたスカイライン。約70年もの間ファンに愛されてきたが、一方で多くの非難を浴びたのが2001年に登場した11代目V35だった。
R31で落とした人気をR32で回復し、肥大化したR33で再び批判を受けながらもR34で威厳を取り戻したスカイライン。しかし、V35で三度人気を落とすことになってしまったのである。
V35は1999年の第33回東京モーターショーに出品されたコンセプトカー「XVL」がベース。もともとは北米インフィニティの新型車として開発されていたが急遽方向転換し、11代目スカイラインとして販売されることになった。
そのためそれまでのスカイラインとはすべてが異なり、シャシーはFM(フロントミッドシップ)パッケージのFR-Lプラットフォームを採用し、パワートレインもV6エンジンを搭載。
スタイリングだって歴代スカイラインとは一線を画す丸みを帯びたものになり、当初は伝統の丸形テールランプも廃止された。そんなこともあり熱心なファンからは「こんなのスカイラインじゃない」と言われ、ソッポをむかれたのだ。
ただし、これはあくまでも国内での話。インフィニティG35として販売された北米では「BMWイーター」と呼ばれるほどの高い評価を得てヒット。国内とは真逆の結果になったのである。
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