伝説のコースで本気のレースが1人1万円ちょいで楽しめる!!「エコカーカップ」参戦記!!

 読者諸兄は富士スピードウェイで年に2回開催されている「エコカーカップ」をご存じだろうか。

 ドラテクだけでなく、知恵とチームワークをフル動員して「速さ」と「燃費」と「タイムを揃える慎重さ」を競うレースである。

 JAFライセンスはいらないし、ヘルメットとグローブさえあればレーシングスーツもいらない。愛車で気軽&安価に参加できる、いま一番お薦めのレースといえる。

 【※エコカーカップのレギュレーション等は公式サイトでぜひご確認ください】

 このたびトヨタ自動車広報部より「出てみない?」とのお誘いを受け、よーしいっちょうやったるか!! と、ベストカーWeb編集部の編集部員S、T編集長、カメラマン池之平昌信さん、

 そして自動車ジャーナリストの鈴木直也氏と4名で富士スピードウェイに乗り込んできました! そしたらなんとまあ楽しいこと楽しいこと!

 この楽しさをぜひ皆さまに分け合いたく、本記事をお送りいたします!!

文:鈴木直也&ベストカーWeb編集部 写真:池之平昌信


■最新アクアで参戦!! これなら勝てる!?!?

文:鈴木直也

 モータースポーツから引退して久しいぼくだけど、たまにはレースっぽいこともやってみたい。

 そんな折に嬉しいオファー。ベストカーWebのT編集長から「一緒にエコカーカップ出ませんか?」というお誘いが舞い込んだ。

 この“エコカーカップ”、競技ライセンス不要のお手軽なサーキットイベントなのだが、その内容はとっても奥が深くて面白い。

 基本的なルールは、富士スピードウェイのフルコースを決められたラップタイム(われわれの出場した180分耐久では1周3分15秒)で走り、フィニッシュした順位と燃費のトータルポイントで順位を決めるというもの。

 これだけなら「なんだ、簡単じゃん!」とタカをくくってもおかしくない。

 今回われわれのベストカーWEBチームは先日マイチェンしたばかりの新型アクアでエントリー。燃費性能はいうまでもなく国産トップクラスだし、コンパクトで低重心だからフットワークも軽快。

 まずはライバルのメディアチームを抑えて予選を29位(エントリーは75台)でこなし、順調に決勝にコマを進めることとなった(予選はタイムアタックのラップタイム順)。ナメてたわけじゃないけど、ここまではえらく順調だったのだ。

レギュレーションで「最低5回ピットストップすること」があり、4名のドライバーは全員走ることに。作戦は「なるべく3分15秒近くで走って、10周回ったらピットイン」という、非常に大雑把……もとい大胆なものだった

■「ちょうど3分15秒で走る」という難しさを実感

 ところが、じっさいに決勝をスタートしてみると、これがドえらく難しい!

 まず、出走75台というものすごいトラフィックの中では、予定したペースで走ることがそもそも至難の技となる。

 今回わがチームはラップタイム管理用にiPadに「DigSpiceⅢ」のGPSロガーシステムを用意して万全の体制で臨んだのだが、トラフィックに巻き込まれるとセクター単位で予定どおり走るなんてとてもムリ。

 どうしても最終コーナー付近から残りタイムを調整するハメになってしまう(もし3分15秒より早くコントロールラインを越えてしまった場合はペナルティ)。

 燃費を気にすればトラフィックにはまってタイムをロスするし、空きスペースを求めて抜いてゆこうとすると燃費が落ちる。

 しかも、速く走りすぎても(ラップタイム3分15秒以下)遅く走りすぎても(180分で50ラップ未満)ペナルティが待っている。

 そんな中、1度ならず2度もドジを踏んでペナルティを食らう大失態を演じたのが他ならぬこのワタシ(早着2回)。

 35位という振るわない結果に終わったのは、チームメイトの足を引っ張ったぼくに大きな責任がある(スンマセン)。

 ま、言い訳するわけではないが、このエコカーカップで上位を狙うのは、かくのごとく容易ではないのだ。

全長約4.6kmの富士スピードウェイ本コースとはいえ、75台も走るとコーナーはご覧のありさま。これをいかに速く抜けるかが勝負の決め手になる

■燃費を落とさずペースをキープする繊細さ

 では、もっと上位を狙うにはどうすればよかったのかという反省だが、速く走ろうという思いをグッとこらえて、燃費重視の走りに徹するのがクレバーな戦略。もちろん、ペナルティは絶対に厳禁だ。

 なぜなら、フィニッシュ順位を一つ上げても1ポイントしか変わらないが、燃費順位を一つ上げると1.2ポイントの差がつくという配点だから。

 これを今回のリザルトに当てはめて考えると、フィニッシュ順ビリでも燃費トップを取れば20位前後に入れるが、逆に燃費がビリだと40位前後に沈むということ。

 やはり、“エコカーカップ”という名称どおり、燃費効率のいい走りをした者が勝つ、という設定なのだ。

 ただし、誤解してもらっては困るのだが、だからといってこの競技はいわゆる“エコラン”とはまったく違う。

 富士のフルコースを3分15秒というのは平均速度で約84km/h。全開で走った予選タイムは2分37秒ほどだから、いわゆるレーシングスピードからはだいぶ余裕があるのだが、それでもサイドバイサイドで100Rを立ち上がるときや、

 ダンゴ状態でダンロップコーナーへ突っ込んでゆく進入ブレーキングなど、けっこうスリリングなレース気分が味わえる。

 燃費を落とさずこのペースを維持するには、ロスなくスムーズに走る繊細なドライビングセンスが要求されるし、それは全開タイムアタックの時にも通じる技術でもある。

 効率のいい走りと速い走りというのは、ドライビング感覚の深いところでかなり通底する部分があるのだ。

無念の「早着ペナルティ2回」でチェッカーを受けた我がチーム。とりあえず完走を祝いましょう

 それにしても、このエコカーカップは手軽で面白いだけじゃなく、イベントとしてのコストパフォーマンス超絶グッド。

 だって、ドライバー4人で富士スピードウェイのフルコースを3時間走って、エントリーフィー5万500円。お一人様1万3000円足らずでたっぷりサーキットランを堪能することができるんだもの。

 次回開催は来年の冬だけど、こりゃもう今からエントリーの準備をしておくしかないと思いますぞ。

※「エコカーカップ2018」早くも開催決定! 春と夏があるので詳細は公式サイトにてご確認ください

車好きにとってレースにとっては「楽しい」が一番大事。その点、敷居が低く奥の深いエコカーカップはうってつけだ!
参加者に送られるトロフィー。編集部に飾ってあります。
無念の碑。来年こそはっ!!!

■今回大変頼りになった、DigSpiceⅢ

文:ベストカーWeb編集部

 ここからは感謝と情報提供の意味も込めて、ベストカーWeb編集長Tがお送りします。

 さて。このエコカーカップの「富士スピードウェイの本コースを、毎ラップちょうど3分15秒近辺で走り続ける」という基本戦術がいかに難しいかは、一度でもエコカーカップに触れたことがある方ならお分かりだと思う(なにしろほとんどのチームが一度は早着ペナルティを喰らうのだ)。

 そんな過酷な(?)レースで我々が一番頼りにしたのが、「DigSpiceⅢ」。

 付属ユニット(チロルチョコくらいの大きさ)を参戦車両のルーフにガムテープで取り付け、インパネ部分に専用アプリ(無料)をダウンロードしたスマホやタブレットを設置するだけ。

 GPSで自車の位置を計測して、ラップタイムはもちろん区間タイムを表示、データロガーとしても利用できる(公式サイトからデータをダウンロードすれば、プロドライバーと自分の走りを比較できたりもしちゃう)。

 これで1セット4万円は安い。

 サーキット走行が好きで、ご自身の走りを一段上のレベルまで高めたい方はぜひ購入を検討してみてほしい。

 公式サイトはこちら。

取り付け&取り外しは非常に簡単。車内のスマホやタブレットとはブルートゥースで連動している。めちゃくちゃお世話になりました
【Digi Spice】公式サイトは

■プリウス20周年、トヨタのハイブリッド車1000万台突破記念

 今回のレースはウキウキ気分で最新のアクアを借りて参戦したベストカーWebチームでしたが、思い起こせば2017年の今年は、プリウス発売20周年でありました。

 最新のアクアももちろんいい車であったが、当社の社用車プリウスで参戦するのも一興だったのでは、と帰社してから思い立った次第。

 1997年12月、初代プリウスは「21世紀に間に合いました」というキャッチコピーとともに発表、発売。チーフエンジニアは現在トヨタ自動車の会長を務める内山田竹志氏である。

 販売価格は215万円。燃費は28.0km/L(10.15モード燃費)。

 決して安いとは言えない価格だったが、当時としては驚異的な燃費だったし、独特のドライブフィールで、社用車として購入した当社編集部員も競ってステアリングを握りたがったものだった。

 あれからもう20年。いまやハイブリッドカーなくして世界の自動車シーンを語ることは不可能となり、世界初の量産ハイブリッドカーとして誕生した初代プリウスは、日本自動車史に燦然と輝く偉大な記念碑となった。

 今も現役で活躍する当社の社用プリウスに、そっと「おめでとう」と伝えたい。

 そして上記見出しにあるとおり、この20年でトヨタはハイブリッドカーの累計販売台数は1000万台に到達した(2017年1月末に1004.9万台を記録)。

 上述の内山田会長は以下のようなコメントを発表。

 「初代プリウスの発売当時、『ハイブリッド』 という言葉は世間に全くなじみもなく、乗っている人は『オタク』だとも言われた。

 しかし、そのような未知のクルマに期待を寄せ、お乗りいただいた多くのお客様に支えられて、ハイブリッド車は 1,000 万台という節目を迎え、今では『普通のクルマ』になるまで普及することができた。

 ハイブリッド車をここまで育ててくださったすべてのお客様に心から感謝を申し上げるとともに、これからもお客様と一緒に地球環境問題の解決に貢献できるよう挑戦を続けていきたい」

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