■「ちょうど3分15秒で走る」という難しさを実感
ところが、じっさいに決勝をスタートしてみると、これがドえらく難しい!
まず、出走75台というものすごいトラフィックの中では、予定したペースで走ることがそもそも至難の技となる。
今回わがチームはラップタイム管理用にiPadに「DigSpiceⅢ」のGPSロガーシステムを用意して万全の体制で臨んだのだが、トラフィックに巻き込まれるとセクター単位で予定どおり走るなんてとてもムリ。
どうしても最終コーナー付近から残りタイムを調整するハメになってしまう(もし3分15秒より早くコントロールラインを越えてしまった場合はペナルティ)。
燃費を気にすればトラフィックにはまってタイムをロスするし、空きスペースを求めて抜いてゆこうとすると燃費が落ちる。
しかも、速く走りすぎても(ラップタイム3分15秒以下)遅く走りすぎても(180分で50ラップ未満)ペナルティが待っている。
そんな中、1度ならず2度もドジを踏んでペナルティを食らう大失態を演じたのが他ならぬこのワタシ(早着2回)。
35位という振るわない結果に終わったのは、チームメイトの足を引っ張ったぼくに大きな責任がある(スンマセン)。
ま、言い訳するわけではないが、このエコカーカップで上位を狙うのは、かくのごとく容易ではないのだ。
■燃費を落とさずペースをキープする繊細さ
では、もっと上位を狙うにはどうすればよかったのかという反省だが、速く走ろうという思いをグッとこらえて、燃費重視の走りに徹するのがクレバーな戦略。もちろん、ペナルティは絶対に厳禁だ。
なぜなら、フィニッシュ順位を一つ上げても1ポイントしか変わらないが、燃費順位を一つ上げると1.2ポイントの差がつくという配点だから。
これを今回のリザルトに当てはめて考えると、フィニッシュ順ビリでも燃費トップを取れば20位前後に入れるが、逆に燃費がビリだと40位前後に沈むということ。
やはり、“エコカーカップ”という名称どおり、燃費効率のいい走りをした者が勝つ、という設定なのだ。
ただし、誤解してもらっては困るのだが、だからといってこの競技はいわゆる“エコラン”とはまったく違う。
富士のフルコースを3分15秒というのは平均速度で約84km/h。全開で走った予選タイムは2分37秒ほどだから、いわゆるレーシングスピードからはだいぶ余裕があるのだが、それでもサイドバイサイドで100Rを立ち上がるときや、
ダンゴ状態でダンロップコーナーへ突っ込んでゆく進入ブレーキングなど、けっこうスリリングなレース気分が味わえる。
燃費を落とさずこのペースを維持するには、ロスなくスムーズに走る繊細なドライビングセンスが要求されるし、それは全開タイムアタックの時にも通じる技術でもある。
効率のいい走りと速い走りというのは、ドライビング感覚の深いところでかなり通底する部分があるのだ。
それにしても、このエコカーカップは手軽で面白いだけじゃなく、イベントとしてのコストパフォーマンス超絶グッド。
だって、ドライバー4人で富士スピードウェイのフルコースを3時間走って、エントリーフィー5万500円。お一人様1万3000円足らずでたっぷりサーキットランを堪能することができるんだもの。
次回開催は来年の冬だけど、こりゃもう今からエントリーの準備をしておくしかないと思いますぞ。
※「エコカーカップ2018」早くも開催決定! 春と夏があるので詳細は公式サイトにてご確認ください
コメント
コメントの使い方