大激戦区にトヨタ自信作投入 新型ヤリスクロスついに正式発表 ライバルを蹴散らせるか

 TOYOTAは、新型コンパクトSUV「ヤリス クロス」を、8月31日より全国のトヨタ車両販売店で、発売開始した。

 「ヤリス クロス」は、軽快な走りや、先進の安全・安心技術の数々、驚異的な低燃費という、ヤリスシリーズならではの魅力を、いま最も需要のあるコンパクトSUVに詰め込んだ、新しい価値を提供する一台だ。月販目標台数は4100台だという。

 世界中の自動車メーカーはいま、「コンパクトSUV」に大注目している。日本国内では、ホンダヴェゼルや日産キックス、トヨタのライズやC-HR、といった人気モデルがひしめき合い、競争が熾烈化している状況だ。この大人気カテゴリに、後発となるヤリス クロスが殴り込みをかける構図となる。

 本記事では、発売によって明らかとなった価格を中心に、ヤリス クロスの詳細を確認していこうと思う。

文:吉川賢一 
写真:池之平昌信、TOYOTA

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追従性の良さにびっくり!!

 ヤリス クロスの車体骨格には、ヤリス同様、コンパクトカー向けのGA-Bプラットフォームが採用されている。この基本設計に優れるGA-Bプラットフォームによる効果に加えて、フロア面やバックドア開口部などへは、構造用接着剤も付加されたことにより、軽量かつ高剛性、低重心なボディが作り上げられている。

試乗会はクローズドサーキットにて行われた 軽量で高剛性なボディが、ヤリス クロスの運動性能を引き上げる要因となっているのだろう

 FF車のリアサスには、トレッドが50ミリ広い欧州向けヤリスのリアトーションビームを使用。これにより安定感が増し、さらには横剛性も向上したことで、軽快なハンドリングと上質な乗り心地を両立している。4WD車のリアサスは、ダブルウィッシュボーン式だ。

 プロトタイプのステアリングを握らせてもらったが、ステアリング入力をしてからクルマの鼻先が動き出すまでの「タイムラグ」が少ない。ステアリングギア比をクイックにしても、そのような動き出しにならないクルマもあるなかで、ヤリス クロスはさほどクイックなギア比ではないにもかかわらず、ステアリング操作に対する追従性が良い。これには驚かれた。

全長4180ミリと短いので、狭い場所での取り回し性能もよい

 ボディサイズは、4180×1765×1560mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2560mmと、同社のライズより大きく、C-HRよりもやや小さい。ヤリス クロスは、そのちょうど中間を埋めるサイズ感となる。

 ただし、外から見るよりも車内は広く、ゴルフバッグ(9.5 インチ)2個を収納できるほどに荷室は広いなど、パッケージングにも優れている。

コンパクトSUV史上最高の低燃費!!

 パワートレインは2種類。直列3気筒1.5リッターのハイブリッド&リダクション機能付の「THS-II」と、1.5リッターの直3ガソリンエンジン&ダイレクトシフトCVTだ。それぞれにFFと4WDが用意されており、4WDシステムは、ハイブリッド車がE-Four、ガソリン車はダイナミックトルクコントロール4WDとなる。

 ガソリン車には、路面状況に応じた走行支援を、3つのモードから選択できるマルチテレインセレクトも装備している。WLTCモード燃費は、2WDで19.8km/L(”G”グレード)、4WDも18.2km/L(”G”グレード)と、1.5リッタークラスとしては相当に良い数値だ。

 さらに、ハイブリッド車は、クラス世界トップレベルの低燃費30.8 ㎞/L(2WD”X”、4WD”X”は28.7km/L)を実現している。現時点で、これほどの燃費を達成したコンパクトSUVは存在しておらず、この驚異的な燃費性能は、ヤリス クロスの強力な武器だ。

洗練された中に、SUV らしい力強さも

 エクステリアデザインのキーワードは、「ENERGETIC SMART(エネルギッシュ スマート)」。アクティブで洗練されたバランスの良いプロポーションを追求したそうだ。

ヤリスは全幅1695mmに抑えられているが、ヤリス クロスでは全幅が70mmも広げられており、フェンダー周りがグッとグラマラスになった

 確かに、一見シンプルだが、高いボンネットラインや、ボディサイドのキャラクターライン、大きく張り出した前後のフェンダー、さらにはリアフェンダーからテールにかけてのマッシブさなど、洗練されていながらも、エネルギッシュな雰囲気を醸し出している。

左右を繋いだ形状のテールアンプが、ヤリスの兄弟車ということを物語っている

 インテリアに関しては、インパネ周りのデザインはヤリスとほぼ同じだ。ステアリングには調整幅の大きいチルト&テレスコピックもあり、手触りの良いシート素材もヤリスと共通となる。ディスプレイオーディオも全車標準装備だ。

ヤリスは手引き式のサイドブレーキだったが、ヤリスクロスでは電動パーキングブレーキが標準装備となる 

 ただし、ヤリスが手引きのサイドブレーキだったのに対し、ヤリスクロスでは、電動パーキングブレーキが全車標準装備となっているほか、このセグメントでは珍しい運転席6ウェイパワーシートも、上級グレードの”Z”に標準装備されているなど、ヤリスよりも装備が充実している。

前後席の幅はヤリスと変わりないが、リアのガラスウィンドウが広いおかげで、後席の閉塞感はヤリスよりも少ない

他にも、4:2:4分割可倒式リアシート(”Z”と”G”に標準)や、6:4分割ができるアジャスタブルデッキボード、そしてハンズフリーパワーバックドア(”Z”と”G”にオプション設定:77,000円)など、ヤリスに対して、使い勝手が大幅に向上している。

 また、ハイブリッド車にはアクセサリーコンセント(AC100V/1500W)も設定されている(ハイブリッドのみ:44,000円)。

 最新の予防安全パッケージ「Toyota Safety Sense」も、標準装備されている(X”Bパッケージ”除く)。具体的には、全車速追従機能付のレーダークルーズコントロールやレーントレーシングアシスト(LTA)、横風対応制御付のS-VSCは標準装備。

 アダプティブハイビームシステム(”Z”のみ。ヘッドアップディスプレイとセットオプション:99,000円)や、トヨタチームメイト(※アドバンストパーク)(ハイブリッド車のみ:~93,500円)、ブラインドスポットモニター(”Z”と”G”:49,500円)はオプションとなっている。

ヤリスクロスは「買い」だ!

 ガソリンエンジンのコンパクトカーを探しているのなら、ヤリスクロスは大本命となるだろう。

 ガソリンの「X 2WD(189万円)」ならば、ヴェゼル(ガソリンFF 「G・Honda Sensing」:約211万円)より約20万円も安く、6月登場のマツダCX-3ガソリン仕様(15S・2WD:189万2000円)とは、ほぼ同価格だが、走行性能や質感の高さは、ヤリス クロスの方が圧倒的に良い。

 また、ライズの中間グレード(2WD G:189.5万円)とほぼ同価格帯となるため、ライズを検討していた方にも、ヤリス クロスは射程圏内となる。

ライズの販売台数は、5月7916台、6月12823台、7月12283台と、1万台ペースを続けている サイズが近く、価格もそれほど変わらないため、ヤリス クロスへ変更する顧客もいるかもしれない

 ハイブリッド仕様を比べてみても、やはりヤリス クロスのハイブリッド「X 2WD(228万円)」が圧倒的に安い。最上級の「Z 2WD」でも258万円だ。

 ホンダヴェゼルは約250万円(HYBRID・Honda Sensing 2WD)、日産キックスは約276万円(X 2WD)であり、装備の有無の差はあるものの、ヤリス クロスのコストパフォーマンスの高さが際立っている。

 ヤリスクロスは、ボディサイズがコンパクト故に、後席は多少の狭さはあるが、このコストパフォーマンスの高さは大変魅力的だ。ヨーロピアンなデザインと、後席や荷室の使い勝手に満足でき、さらには運動性能の高さに魅力を感じられる方にとっては、ド・ストライクで「買い」だといえるだろう。

ヤリス クロスの価格帯は1,798,000円~2,815,000円 ヴェゼルやキックスと比べてコストパフォーマンスが高い

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