2017年9月、日本国内では6代目モデルが2004年に生産終了して以来、13年ぶりにハイラックスが「復活」。
8代目モデルとなる久々の新型は、326万7000〜374万2200円という価格で発売されている。
そんなハイラックスは、1990年代にRVブームを牽引した車のひとつ。当時何がウケて、どんな魅力を持っていたのか? 改めてその歴史を探りたい。
文:片岡英明/写真:編集部、TOYOTA
約50年前に誕生したハイラックスの転機は4代目
日産車のダットサン・トラックと並ぶピックアップ・トラックの代表モデルがトヨタのハイラックスだ。日本では2004年に販売を打ち切ったから知らない人が増えてきた。
だが、海外では名の通ったメジャーブランドで、世界中に多くのファンがいる。初代ハイラックスが誕生したのは1968年。海外では着実に評価を高めていったが、日本ではプロや一部のマニアだけに知られる存在だった。
転機が訪れるのは、4代目ハイラックスが登場してからである。
「サーフ」の登場でアウトドア派への人気に火が付く
1983年の秋、トヨタは第25回東京モーターショーにハイラックスRV・4WDを参考出品した。
ショートボディの荷台にFRP製のシェルを被せてレジャービークルに仕立てたのである。
そして1984年夏に、これを手直しして量産化したのが「ハイラックスサーフ」だ。2WDと4WDを切り替えるパートタイム式4WDで、5速MTにはハイレンジとローレンジを持つ副変速機を備えている。
スタイリッシュで、痛快な走りを楽しめるサーフは、アウトドア派を中心にファンを広げていった。最初のサーフは4ナンバーのバン登録で、2ドアだ。ベースとなったハイラックスには4ドアのダブルキャブを設定している。
このダブルキャブはハイラックスの主役で、最新のハイラックスにもラインアップされた。が、サーフはスポーティ感覚をアピールするため2ドアとしたのだ。
1986年8月、トヨタは5ナンバー、乗用車登録のハイラックスサーフワゴンを追加した。2Lの直列4気筒ガソリンエンジンは、電子制御燃料噴射装置のEFI仕様となり、サスペンションも乗り心地に振った味付けだ。
また、5速MTに加え、電子制御4速ATを設定し、多くの人がオフロードや雪道走行を楽しめるようにしている。ガングリップタイプのスポーティなデザインのセレクターレバーも、サーフ人気を後押しした。
ハイラックスサーフは、スキーやスノボ、サーフィンなどに熱中しているアクティブスポーツ派を魅了する。ダート派はオフロード・エクスプレス、オートキャンプや登山などを好むアウトドア派はリゾート・エクスプレスとして愛車に選んだ。
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