トヨタ ハイラックスの歴史と魅力 RVブーム牽引 “復活車”

ハイラックス&サーフはなぜ大ブレイクした?

5代目ハイラックス(3Lディーゼル搭載のSSR-X)のワイドボディ仕様
5代目ハイラックス(3Lディーゼル搭載のSSR-X)のワイドボディ仕様

 1989年5月にハイラックスとともにモデルチェンジしたサーフは、ルーフ全体をスチールボディに改め、快適性を大幅に高めている。また、使い勝手のいい4ドアモデルを設定し、上質な3L、V型6気筒エンジン搭載車も送り込んだ。

 それだけではない。2代目では大型のフェンダーを採用したワイドボディも仲間に加えたのである。カッコいいし、ワイドタイヤも履けるから大ブレイクした。

 サーフは若者からファミリー層まで、ファン層を大きく広げることに成功する。

 ハイラックスとハイラックスサーフの人気を後押ししたのは、経済性に優れ、トルクも豊かなディーゼルエンジンの存在だ。

 海外ではCO2排出量の少ないディーゼル信奉者が多い。そこで積極的に進化させた。2.4Lの直列4気筒ディーゼルにターボを装着するとともにEFI化している。また、4速ATとの組み合わせも実現させた。

 もっとも強い印象を残したのは、1993年夏のマイナーチェンジを機に送り出した3Lの1KZ-TE型直列4気筒SOHCディーゼルターボだ。V6のガソリンエンジンを凌ぐ、速い走りを見せつけたのである。130ps/29.5kgmのスペックは、当時としては驚異的だった。

 2.4Lのディーゼルターボと比べると出力は30%、トルクも20%の上乗せだ。実際、冴えた加速を見せたし、追い越しも余裕でこなした。静粛性も高いレベルにある。

ランクル70の好評もハイラックス復活を後押し

 1995年12月にバトンを受けた3代目ハイラックスサーフは、インタークーラーを追加してさらにポテンシャルを高めた。

 また、この世代からランドクルーザープラドとシャシーを共用する兄弟車になっている。だから走りの実力もアップし、性格もSUVチックになった。

 だが、ピックアップ・トラックのハイラックスらしい軽快感が色濃いのは2代目のディーゼルターボだ。最新のハイラックスは、この黄金期の作品とダブって見える。

 往年の名車のテイストを盛り込んだFJクルーザーは、クリーンヒットを飛ばした。また、期間限定で発売したランドクルーザー70シリーズも好評を博している。

 8代目のハイラックスを日本市場に送り出したのは、この2車と同じように売れると踏んだからだろう。

新型ハイラックスは2.4Lディーゼルターボエンジンを搭載し、日本市場再登場を果たした
新型ハイラックスは2.4Lディーゼルターボエンジンを搭載し、日本市場再登場を果たした

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