トヨタとスバルが共同開発したスポーツカー「86/BRZ」の現行モデルが生産終了となった。同車は2012年に発売され、次期型も開発は進められているといわれるが、一時的に販売が途切れることになった。
このように、スポーツカーを作り続けることは非常に難しい。日産 フェアレディZやホンダ NSXですら一時的に販売が途絶えた時期があり、国産スポーツで絶え間なく継続しているモデルはロードスターなど極めて少数だ。
しかし、「スポーツカーは文化だ」というフレーズもあるくらい、スポーツカーにはクルマ本来の魅力や奥ゆきが詰まっている。
そこで本稿では、そんな魅力にあふれながら一代限りで消滅してしまった国産スポーツカーにスポットを当てていきたい。
文:片岡英明、写真:トヨタ、ホンダ、マツダ、三菱
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トヨタ MR-S
2代続いたミッドシップスポーツカーのMR2からバトンを託され、1999年秋に登場。
MR2との違いは、フルオープンスタイルを採用し、爽快なオープンエアモータリングも楽しめることだ。
また、パワーユニットをVVT-iを組み込んだ1.8Lの直列4気筒DOHCとし、多くの人が実力を引き出しやすいように配慮している。
しかもサイフにやさしいレギュラーガソリン仕様だった。5速MT(後期モデルは6速MT)を駆使すれば、140ps/17.4kgmのエンジンパワーをフルに使いきることができ、変速するのが楽しい。
MR-Sの魅力は、もうひとつある。発売から1年後に加えられた電子制御シーケンシャル5速MTだ。日本で初めて気を遣うクラッチ操作を不要にした画期的なクラッチペダルレスのセミATだった。
AT免許で運転でき、エンジンの回転数もコンピュータが自動的に合わせてくれるから、ビギナーでもレーシングドライバーのように上手に変速することが可能だ。
1トンを切る車重だから非力と感じないし、オン・ザ・レールの気持ちいいハンドリングにも魅せられる。特にサスペンションに改良を加え、タイヤもサイズアップした後期モデルは剛性が高く、コントロール性は向上した。
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