トヨタMR-Sが100万円以下で手に入る!! 希代のスポーツカー もう絶対出ない

トヨタMR-Sが100万円以下で手に入る!! 希代のスポーツカー もう絶対出ない

 1.8L、直4エンジンを軽量ボディのミドに搭載するライトウエイト2シーターオープン、トヨタMR-S。

 今では、ミドシップのオープン2シーターという存在は非常に貴重な存在。昨今の1990年代以降の中古スポーツカー人気を受けて、MR-Sの中古車価格も高騰しているのだろうか? 

 そこで、中古車事情に詳しい自動車評論家、萩原文博氏がMR-Sの中古車相場を徹底調査し、解説していく。

文/萩原文博
写真/トヨタ

【画像ギャラリー】低価格でミドシップの走りの愉しさが味わえるMR-Sを写真でチェック!


ミドシップランナバウト、MR-Sが誕生した背景

1989年10月~1999年10月まで販売されたSW20型2代目MR2
1989年10月~1999年10月まで販売されたSW20型2代目MR2

 エンジンを運転席後方にレイアウトするミドシップ(MR)。フェラーリ512BBやランボルギーニカウンタックといった、スーパーカーが採用した駆動方式で、スポーツカーの中でも羨望の眼差しを受けるのだ。

 国産スポーツカーでエンジンをミドシップに搭載し、MRの駆動方式を採用したのが、1984年に登場した初代トヨタMR2。

 しかもMR2はMRの駆動方式に加えて、リトラクタブルヘッドライトも採用するなどスーパーカー濃度の濃いモデルだった。

 1989年になると、MR2は2代目モデルに進化。搭載されるエンジンの排気量が1.6Lから2Lへと拡大し、パワーアップ。その結果、ミドシップらしいピーキーなクルマとなってしまった。

 それを反省して生まれたのが、今回中古車事情を紹介するMR-Sだ。トヨタのミドシップスポーツカーであるMR-Sは1999年10月にMR-2の後継車として登場。

ボディサイズは全長3885×全幅1695×全高1235mmとコンパクトで、車両重量は1t切りの970kg(前期型)
ボディサイズは全長3885×全幅1695×全高1235mmとコンパクトで、車両重量は1t切りの970kg(前期型)

 駆動方式は異なるものの、マツダロードスターのようなライトウェイトスポーツへと路線変更したのが特徴だ。

 2007年の生産終了から13年経ったMR-Sの中古車相場は一体どのようになっているのだろうか。

 まずは、MR-Sの変遷を振り返って見たい。1999年10月、MR-Sは軽量で機敏に走り多様なシーンで操る楽しさを実感できるミドシップの「ライトオープンスポーツ」として登場。

 軽量・高剛性の新開発のボディはロングホイールベース、ショートオーバーハングを採用。MR駆動車としてハイレベルな操縦性、走行案手製を実現すると同時に、スタイリッシュなオープンカーのデザインを追求している。

軽量化の観点からルーフのソフトトップは手動式
軽量化の観点からルーフのソフトトップは手動式

 新設計したボディは各所にクロスメンバーを配置し、軽量と高剛性を両立。さらに、タイヤを四隅に配置しカウルフォワードの低重心スタイルを実現するとともに、ルーフは2つ折り収納し、オープンエアを満喫できるソフトトップを採用した。

 搭載される1.8L、直4DOHCエンジンは、アルミブロックの採用による軽量化や可変バルブタイミング機構のVVT-iや高圧縮比によるトルクフルで扱いやすい仕様となり、最高出力140ps、最大トルク17.4kgmを発生。

 サスペンションは前後ともにマクファーソンストラット式を採用することで、走行安定性と優れた乗り心地を実現している。

 デビュー当初は5速MT車のみで、グレードは標準車に加えて、装備を簡素化したBエディションそして充実した装備のSエディションの3グレードが設定されていた。

5速MTに加え、2ペダルMTの5速シーケンシャルMTを追加し、ユーザー層の拡大を図った
5速MTに加え、2ペダルMTの5速シーケンシャルMTを追加し、ユーザー層の拡大を図った

 2000年8月にMR-Sは一部改良を実施。新開発したシーケンシャルMTの追加と専用ボディカラーのダークグリーンマイカを採用し、幌、本革シート、本革ドアトリムをタンカラーで統一。

 さらに、光沢のあるアルミホイール、メッキリング付きツィーター、SUSスカッフプレートなどを装備したVエディションという新グレードを設定。

 一方、Bエディションが廃止されたので3グレードのままだ。新採用のシーケンシャルMTは、クラッチ操作をせずに、シフトレバーあるいはステアリングシフトスイッチを操作することにより、連続的にシフトアップ、シフトダウンが可能な電子制御式MTのこと。

 この技術は、F1などのレーシングカーに採用されているもので、素早くかつスムーズな変速により、機敏なMR-S の走りをさらに魅力的にした。

 2002年8月にマイナーチェンジを行い、内外装の変更とともに、MT車、シーケンシャルMT車ともに、従来の5速から6速へと変更された。

2002年8月にマイナーチェンジ。写真はMR-S Sエディション。 フロントバンパーは押し出し感のある意匠に、丸型フォグランプを配置し、また4灯式ハロゲンヘッドランプ(ロービームプロジェクター)、リアコンビランプを立体感ある意匠とするなど、質感を向上させ、スポーティ感を強調
2002年8月にマイナーチェンジ。写真はMR-S Sエディション。 フロントバンパーは押し出し感のある意匠に、丸型フォグランプを配置し、また4灯式ハロゲンヘッドランプ(ロービームプロジェクター)、リアコンビランプを立体感ある意匠とするなど、質感を向上させ、スポーティ感を強調
リアタイヤを205/50R15から215/45R16に変更することで、さらに優れた前後輪のグリップバランスを確保したほか、サスペンション取付部の剛性を高めることで、より優れた操縦性・走行安定性を実現
リアタイヤを205/50R15から215/45R16に変更することで、さらに優れた前後輪のグリップバランスを確保したほか、サスペンション取付部の剛性を高めることで、より優れた操縦性・走行安定性を実現

 さらにリアタイヤのサイズ変更やサスペンション取付部の剛性をアップしたことで、さらに楽しい走りに磨きを懸けている。

 2005年12月には一部改良を行い、全車にフロントフォグランプインジケーターの追加とリアコンビランプ内のブレーキランプとテールランプの配置を変更した。

MR-Sの生産を2007年7月末で終了するのに伴い、2007年1月に限定1000台(6速MTが232万円、6速シーケンシャルMTが240万円)で発売された特別仕様車「Vエディション・ファイナルバージョン」
MR-Sの生産を2007年7月末で終了するのに伴い、2007年1月に限定1000台(6速MTが232万円、6速シーケンシャルMTが240万円)で発売された特別仕様車「Vエディション・ファイナルバージョン」

 そして、2006年11月には、2007年7月末で生産終了するのに伴い、限定1000台で特別仕様車のVエディション・ファイナルバージョンを発売。

 この特別仕様車はVエディションに加えて、ソフトトップ、本革シート&ドアトリム、本革巻きステアリングホイールに専用色のレッドを追加。

 さらにドアアシストグリップ、ダイヤル式ヒーターコントロール、インストルメントパネルブレースカバーおよび、シフトゲージカバー(6速シーケンシャルMT車)をチタン調シルバーにするなど質感を高め、より高級感のある仕様とした。

 また、MR-Sはカスタムカーも販売され、トヨタの純正アフターパーツを販売しているモデリスタが、イタリアのカロッツェリア、ザガートがデザインしたVM180ザガートを限定100台で発売。

 また、日本のデザイン会社、MODIが担当し、モデリスタが生産、販売したカセルタも限定150台で販売している。

日本のデザイン会社、MODIが外観をデザインし、モデリスタが製造・販売した限定車(150台限定)、カセルタ。価格は350万~388万円
日本のデザイン会社、MODIが外観をデザインし、モデリスタが製造・販売した限定車(150台限定)、カセルタ。価格は350万~388万円

次ページは : MR-Sの中古車相場はジワジワと値上がり傾向が続く

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