長くミニバン市場の最ヒット市場として、トヨタ、日産、ホンダそれぞれが力を入れている2Lボックス型ミニバン。
日産セレナは昨年フルモデルチェンジして今年11月にNISMO仕様を追加、トヨタヴォクシー/ノア/エスクァイアは7月に大幅マイチェンを実施して商品力をアップ、ホンダステップワゴンは9月のマイチェンで同モデル初のハイブリッド仕様を追加した。
この最激戦区、現時点で最も「買い」のモデルはどれか? 自動車ジャーナリストの渡辺陽一郎氏に、各車を細かく分析してオススメグレードとお買い得モデルを選んでもらいました。
文:渡辺陽一郎
べストカー2017年12月26日号
■トヨタ ヴォクシー/ノア/エスクァイア
標準ボディを5ナンバーサイズに設定した背の高いミドルミニバンの人気車種。3姉妹車の登録台数を合計すると、1カ月平均で1.6万台におよび、小型/普通車ではプリウスに次ぐ販売規模を誇る。
人気の理由は、従来型からの乗り替え需要が多く、現行型も着実に進化したことだ。特に低床設計が注目され、先代型に比べると床の高さが85mmほど下がり、ステップワゴンと同等かそれ以下になった。
低床化によって乗降性が向上して室内高も60mm増した。さらに低重心で安定性もよく、左右に振られにくいから乗り心地も快適だ。
さらに現行型では標準ボディの全長が100mm伸びて有効室内長も拡大した。特に3列目は膝先空間が増して、低床化により床と座面の間隔も広げたから居住性が大幅に快適になった。
3列目はレバー操作だけで左右に跳ね上がり使い勝手もいい。好調に売れるのも当然と思わせる。
【オススメグレード】ヴォクシー2.0ZS(7人乗り)277万5600円
■日産 セレナ
標準ボディを5ナンバーサイズに抑えたミドルクラスミニバンの人気車。ヴォクシーやステップワゴンよりもプラットフォームの世代が古く、床の高さはこれらより約70mm高い。従って乗降性や走行安定性はいま一歩だが、居住性は良好だ。
特に3列目シートにスライド機能を備えた仕様は、後端まで寄せると足元空間が前出のライバル車たちよりも広くなる。3列目シートの奥行寸法もセレナが長く、5ナンバーサイズを基本にしたミニバンでは、多人数乗車時の居住性が最も快適だ。
シートアレンジも多彩で、2列目の中央を1列目の間までスライドさせると収納設備になる。リアゲートは上半分だけを開閉できるから、狭い場所でも荷物を収納しやすい。実用面で工夫を凝らした。
また緊急自動ブレーキの応用技術で、運転支援機能のプロパイロットも用意する。反応の仕方が少し鈍いが、長距離を移動する時の快適性を高める効果が期待できる。
【オススメグレード】ハイウェイスターVセレクション(8人乗り) 293万4360円
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