日産が世界に誇る「GT-R」。その性能の高さは折り紙付きで、2007年の登場以来、いまだに世界の名だたるスーパーカーと互角な性能を誇る。
その陰には毎年のアップデートがあり、ニュルブルクリンクでのラップタイム更新など、明確な性能の高さを示してきた。
もちろん生みの親の水野和敏氏が日産を去った後も進化は続いているが、ここにきて少し異変が起きている。2018年モデルの発表はあったものの、走りに関するアップデートがないのだ。
盗難防止装置の改善、Apple CarPlayへの対応のみという進化に、GT-Rの今後が気になって仕方ない!! そんなBC編集部がGT-Rの今後を調べました
文:ベストカー編集部/写真:日産
ベストカー2018年1月10日号
■これまでGT-Rの進化は価格アップの価値があった
2007年10月24日、東京モーターショーのプレスカンファレンスの場で正式にデビューが発表されたR35型GT-R。
日本国内での発売開始は12月6日からとなったが、早いもので『日産GT-R』が誕生してから10年の歳月が経過したのだ。
デビュー時のGT-R標準グレードの価格は777万円。正直これはずいぶんと安いと感じたものだ。最も高価なプレミアムエディションでも834万7500円だった。
GT-Rは毎年のように何かしらの進化がある。ある年はサスペンションチューニングの細かいセッティングの見直しだったり、またある年はエンジンの改良だったり、また別の年にはボディまで含めた大がかりな改良だったり……。
いわゆる「イヤーモデル」と呼ばれる改良、進化の足跡を辿ってきた。
当初最高出力480ps、最大トルク60.0kgmでスタートしたVR38DETTエンジンは、2011年モデルで530ps/62.5kgmへ、さらに2012年モデルで550ps/64.5kgmへとパワーアップされ、ここ直近では2016年3月に発表、7月11日より国内販売が開始された2017年モデルで570ps/65.0kgmにまで引き上げられている。
3回のエンジンスペック変更により、初期型と比べると最高出力で90ps、最大トルクで5kgmものスペックアップが図られたことになる。
いっぽう価格の改定はこれまで6回実施されている。デビュー時の価格は前述のようにバーゲンプライスともいっていいものだったこともあり、デビュー2年後、2009年12月の一部改良による2010年モデルでは標準グレードの価格が84万円引き上げられて861万円となった。
もっともこれはサスペンションチューニングの変更に加え、スペックV用のリアディフューザーを全車標準装着化するなど、それなりに手の入った結果でもある。
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