こんなクルマはもうお目にかかれない?? 令和に語り継ぎたい強烈ターボエンジン 5選

 新型フォレスターが、エンジンを1.8Lターボに変更し登場したが、SNSなどのコメント欄を見ると「エコなターボで、パフォーマンス重視のターボとは別物」という声が多くみられた。

 そこで今回は、近年増えたエコなターボではなく、インパクトが強烈だった過去に試乗したことがあるターボエンジンを岡本幸一郎氏が5基ピックアップ! 

 筆者が過去に乗って印象的だった国産各社のターボ車についても語っていきたい。最初は所有したことのあるクルマから述べていきたい。

文/岡本幸一郎
写真/TOYOTA、NISSAN、MITSUBISHI、DAIHATSU、編集部

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■トヨタ 1JZ-GTE(ツインターボ時代の)

●筆者の所有歴があるのは、トヨタ「70スープラ」のターボRおよびリミテッド(2台同時所有(笑))

1990年8月のマイナーチェンジで登場した2.5L直6ツインターボエンジン『1JZ-GTE』を搭載したスープラ(A70)。トヨタ車初となる280psを発揮するパワフルなエンジンだった

 1989年に登場した日産「R32スカイラインGT-R」のRB26DETTが絶賛されるなか、1990年以降のトヨタ「70スープラ」や「マークII系」や「30ソアラ」に搭載された、2.5リッター直6の『1JZ-GTE』は本当に美味だった。フィーリングのよさでは日産の『RB26』を超えるものがあったと個人的には思っている。トヨタとしても直6では譲らないという意地があったように思える。

 上まで回したときの爽快な吹け上がりと美しいエキゾーストサウンドは絶品だった。その点ではRB26も素晴らしいが、個人的には微妙に1JZのほうが好みだった。

 さらには、Lジェトロ(エアフロ有)だったRB26よりも、Dジェトロ(エアフロ無)の1JZは低回転域でのレスポンスがずっと鋭くて、踏めば即座にドンと前に押し出してくれる感覚もあり、そこがまた魅力だった。

 ほどなく1JZ-GTEは同じ型式のままシングルターボ化され、かたやさらなるハイパフォーマンスモデルには500cc排気量の大きい2JZ-GTEが搭載される。

 シングルターボになった1JZもたしかにパワフルなのだが、なんとなくツインターボ時代ほどの感動は薄れたように感じられた。シングルでも充分なレスポンスを得られるようになったことや、制御を最適化しやすいことなどがメリットとして挙げられていたように記憶しているが、ぶっちゃけコストダウンが主な目的だったように思えてならない。

 一方の2JZは、1JZよりも圧倒的にパワフルなのだが、サウンドや吹け上がりのフィーリングは1JZに及んでいなかったように思う。だから当時、1JZのヘッドに2JZの腰下を組み合わせた、「1.5JZ」なるチューニング手法も生まれわけだ。

■マツダ 13B-REW

筆者の所有歴:「RX-7 FD3S」の2型、4型、6型(3台乗り継いだ(笑))

ロータリーエンジンを搭載したピュアスポーツカーであるマツダ「RX-7(FD3S)」。登場したときは255psだったが、最終的には280psを発生するハイパワーなエンジンに成長した

 ロータリーとターボは相性がよいとされている。マツダ「RX-7」については、「初代SA22C」が当初は自然吸気のみだったところ、後期型でターボが追加され、2代目の「FC3S」からはターボのみになった。さらにFD3Sではシーケンシャルツインターボという新兵器を手に入れた。

 これは2基の小径ターボチャージャーを備え、低回転域ではプライマリー側のみを回し、中~高回転域ではセカンダリー側も回すことで、全域でパワーとトルクとレスポンスの向上を図るというものだ。

 FD3Sは大別して6世代に分けられるが、255psでスタートした『13B-REW』は、4型で265psに、5型で280psとなった。4型までと5型以降でタービンの仕様が異なり、4型でCPUが8ビットから16ビットになったり、6型ではアブレダブレシールの採用やコンプレッサーホイールの小径化など、レスポンスをさらに向上した。

 もっともフィーリングがよかったのは、やはり6型だと記憶している。

 ただし、実は件のシーケンシャルツインターボはノーマルかブーストアップ程度で乗るにはよかったが、制御が難しくトラブルも少なくなかったようで、ロータリーチューナーの多くが大容量のシングルターボに載せ換えていたのは事実ではある。

■日産 SR20DET(パルサーGTi-Rのみに搭載された4連スロットル版)

●筆者の所有歴:「パルサーGTi-R」ではなく「180SX」の中期型

4代目パルサーに設定された、WRC参戦を前提に開発されたモデル「GTi-R」。搭載された2L直4ターボエンジンは230ps/29.0kgmを発揮した

 日産のターボといえば、やはり歴代GT-Rの『RB26DETT』と『VR38DETT』がもはや代名詞みたいなものだが、もう語りつくされた感もあるので、ちょっと変化球で4気筒の『SR20DET』にスポットを当てたい。

 SRというと「シルビア」や「180SX」のイメージが強いが、型式は同じだが、「パルサーGTi-R」に搭載されたエンジンは別物といえるほどで、4連スロットル化とともにターボとインタークーラーを大型化。さらにはクーリングチャンネル付きピストンにオイルジェット、ナトリウム封入バルブなどを採用。シルビアなどの標準版が205ps、28.0kgmだったのに対し、230ps、29.0kgmに引き上げられていた。

 ドライブフィールも別物。シルビアなどの標準版が、低回転域はもやーっとしていて、中回転域のトルク感こそターボらしい盛り上がりがあったものの、上は5000回転台で頭打ちな感じがしたのに対し、パルサーはビンビンにレスポンスするし、トップエンド付近まで勢いを維持して、全域で痛快な加速を楽しむことができた。

 パルサーに乗ってしまうと標準のSR20DETは、言葉はわるいが、子どもだましな感じがしてしまった。当時、180SXを愛車としていた筆者は悔しくて、なんとかこのエンジンを積めないものかと思ったものだ。

■三菱 4G63

●筆者の所有歴はなし。最も印象に残るのは「ランサーエボリューションIX」

インプレッサと熾烈なライバル対決を繰り広げたランエボIX。初の連続可変バルブタイミング機構MIVECを搭載した4G63型 2L直4ターボエンジンは280ps/40.8kgmを発生

 いまでは世界中のメーカーが2.0リッターの4気筒ターボをラインアップしていて、なかにはメルセデスAMGの「A45」のように、421psを引き出しているものもあるが、1990年代初頭に業界入りした筆者が当時、2.0リッターでもこんなにパワフルにできるのかと感心したのが、『4G63』を搭載する三菱「ランサーエボリューション」だ。そのインパクトは、しのぎを削ったスバルの『EJ20』よりも上だった。

 ターボエンジンはターボラグがあって当たり前だったなかで、低回転域からレスポンスがよく、全域でいかにもターボらしい力強い加速を発揮した。

 その後は代を重ねるごとによりパワーアップして、エボIVでついに280psになり、さらに進化しつづけた。

 そして、エボIXでタービンの仕様を変更するとともに、ついに可変バルブタイミング&リフト機構のMIVECを搭載し、さらに輪をかけて低速レスポンスとパワフルさが増した。

 最後のエボとなるエボXが大きくて重くなったことで、持ち前の加速の力強さがやや控えめになったこともあり、このエボIXこそ歴代最強のエボだと思っている。

 ところで、4G63はランサーエボリューションのために開発されたと誤解されているフシもあるが、実はそのずっと前の「ランサーEXターボ」、通称「ランタボ」の時代にデビューし、バブル期のギャランの「初代VR-4」でも話題となったものだ。

■ダイハツ KJ-VET

●筆者の所有歴はなし。最も印象に残るのは「ブーンX4」

ストーリアの後継のブーンにも「X4」が設定された。ストーリアX4が713ccだったのに対し、ブーンX4は936ccに排気量アップ

 もう1台を、いくらでも乗ったことのあるEJ20で書こうと思ったのだが、衝撃度の大きさで上回ったこちらで書くことにする。

 トヨタ版にはない、ダイハツのラリーベース車として、ストーリアと後継のブーンに設定された「X4」には、どちらも驚愕のエンジンが搭載されていた。その目的は、とにかくスズキに負けないこと。

 ストーリアは1000cc以下クラスのラリー参戦を目的として、当時1.4だった過給係数に対応するため軽自動用エンジンを713ccまで排気量を拡大。ブーンは件の同係数が1.7に変更されたため、1600cc以下のクラスへの参戦を想定し、ダイハツ「YRV」用の1.3リッターエンジンを936ccに縮小。

 どちらもブーストを思いっきりかけてパワーを引き出していた。

 実はストーリアには乗ったことがなく、ブーンなら乗ったことがあるのだが、下がスカスカで、ブーストがかからないと加速しない、いわゆるドッカンターボの典型だった。しかもそれがハンパない。普通の人には乗れたもんじゃない、極端な特性のエンジンだった。

 ちなみにストーリアは、もっと強烈だったらしい。ぜひ乗ってみたかったものだ。

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