■マツダ 13B-REW
●筆者の所有歴:「RX-7 FD3S」の2型、4型、6型(3台乗り継いだ(笑))
ロータリーとターボは相性がよいとされている。マツダ「RX-7」については、「初代SA22C」が当初は自然吸気のみだったところ、後期型でターボが追加され、2代目の「FC3S」からはターボのみになった。さらにFD3Sではシーケンシャルツインターボという新兵器を手に入れた。
これは2基の小径ターボチャージャーを備え、低回転域ではプライマリー側のみを回し、中~高回転域ではセカンダリー側も回すことで、全域でパワーとトルクとレスポンスの向上を図るというものだ。
FD3Sは大別して6世代に分けられるが、255psでスタートした『13B-REW』は、4型で265psに、5型で280psとなった。4型までと5型以降でタービンの仕様が異なり、4型でCPUが8ビットから16ビットになったり、6型ではアブレダブレシールの採用やコンプレッサーホイールの小径化など、レスポンスをさらに向上した。
もっともフィーリングがよかったのは、やはり6型だと記憶している。
ただし、実は件のシーケンシャルツインターボはノーマルかブーストアップ程度で乗るにはよかったが、制御が難しくトラブルも少なくなかったようで、ロータリーチューナーの多くが大容量のシングルターボに載せ換えていたのは事実ではある。
■日産 SR20DET(パルサーGTi-Rのみに搭載された4連スロットル版)
●筆者の所有歴:「パルサーGTi-R」ではなく「180SX」の中期型
日産のターボといえば、やはり歴代GT-Rの『RB26DETT』と『VR38DETT』がもはや代名詞みたいなものだが、もう語りつくされた感もあるので、ちょっと変化球で4気筒の『SR20DET』にスポットを当てたい。
SRというと「シルビア」や「180SX」のイメージが強いが、型式は同じだが、「パルサーGTi-R」に搭載されたエンジンは別物といえるほどで、4連スロットル化とともにターボとインタークーラーを大型化。さらにはクーリングチャンネル付きピストンにオイルジェット、ナトリウム封入バルブなどを採用。シルビアなどの標準版が205ps、28.0kgmだったのに対し、230ps、29.0kgmに引き上げられていた。
ドライブフィールも別物。シルビアなどの標準版が、低回転域はもやーっとしていて、中回転域のトルク感こそターボらしい盛り上がりがあったものの、上は5000回転台で頭打ちな感じがしたのに対し、パルサーはビンビンにレスポンスするし、トップエンド付近まで勢いを維持して、全域で痛快な加速を楽しむことができた。
パルサーに乗ってしまうと標準のSR20DETは、言葉はわるいが、子どもだましな感じがしてしまった。当時、180SXを愛車としていた筆者は悔しくて、なんとかこのエンジンを積めないものかと思ったものだ。
■三菱 4G63
●筆者の所有歴はなし。最も印象に残るのは「ランサーエボリューションIX」
いまでは世界中のメーカーが2.0リッターの4気筒ターボをラインアップしていて、なかにはメルセデスAMGの「A45」のように、421psを引き出しているものもあるが、1990年代初頭に業界入りした筆者が当時、2.0リッターでもこんなにパワフルにできるのかと感心したのが、『4G63』を搭載する三菱「ランサーエボリューション」だ。そのインパクトは、しのぎを削ったスバルの『EJ20』よりも上だった。
ターボエンジンはターボラグがあって当たり前だったなかで、低回転域からレスポンスがよく、全域でいかにもターボらしい力強い加速を発揮した。
その後は代を重ねるごとによりパワーアップして、エボIVでついに280psになり、さらに進化しつづけた。
そして、エボIXでタービンの仕様を変更するとともに、ついに可変バルブタイミング&リフト機構のMIVECを搭載し、さらに輪をかけて低速レスポンスとパワフルさが増した。
最後のエボとなるエボXが大きくて重くなったことで、持ち前の加速の力強さがやや控えめになったこともあり、このエボIXこそ歴代最強のエボだと思っている。
ところで、4G63はランサーエボリューションのために開発されたと誤解されているフシもあるが、実はそのずっと前の「ランサーEXターボ」、通称「ランタボ」の時代にデビューし、バブル期のギャランの「初代VR-4」でも話題となったものだ。
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