クルマだけじゃない! 自転車から見ても危ない!! 怒り心頭の自転車の交通違反

 蛇行運転や、対向車の前に突然飛び出す迷惑運転を繰り返し、住民から「ひょっこり男」と呼ばれていた男が、自転車による妨害運転罪で日本初の逮捕者となった。

 また、新型コロナ禍で話題となっているデリバリーサービスの配達人も、交通マナーが悪く違反が問題となっているが、一般利用者も最近緩んでいると感じる。

 そこで免許を持っていない人でも乗れる自転車だからこそ憶えておきたい、自動車だけではなく、自転車の立場から見ても危険な違反行為について、自身もロードバイクを所有するモータージャーナリストの鈴木ケンイチ氏が注意喚起する。

文/鈴木ケンイチ
写真/Adobe Stock(vbaleha@Adobe Stock)

【画像ギャラリー】自転車だから大丈夫でしょ!?(笑)は甘い!! 厳しく罰せられる自転車の交通違反


■自転車だからって許してもらえない! 赤切符が切られる違反

 最近、自転車のマナーの悪さを耳にすることが多い。2020年10月には埼玉で”ひょっこり男”なる者が全国初となる「自転車による、あおり運転」で摘発されている。また、コロナ禍で一気に増えた「Uber Eats(ウーバーイーツ)」の配達人たちの一部が、ひどい走りであるという話も耳にする。まったく困ったものだとしか言いようがない。

コロナ禍で一気に増えた配達人は、バイクもいるが、最も多いのが自転車だ。突然車道に飛び出してきた…や、車道の真ん中を爆走する姿を見た人は多いのではないだろうか(こうまる@Adobe Stock)

 しかし、知らないというのは恐ろしいものだ。近年、警察は自転車に対する取り締まりを強化している。平成27年(2015年)には「自転車運転者講習制度」がスタートした。

 これは「違反切符による取り締まり」もしくは「交通事故」を3年以内に3回以上繰り返した場合、公安委員会の命令によって自転車運転者講習を受けなくてはならないというもの。命令を無視した場合は5万円以下の罰金だ。そして、この法改正にあわせて、警察は自転車に対する取り締まりを強化している。

 ここで注意してほしいのは、「違反切符による取り締まり」だ。クルマの免許を持っている人は、よく知っていると思うが、違反切符には「青切符」と「赤切符」がある。「青切符」は行政処分であり、反則金を支払うことになるが、逆に言えば、それでお咎めなしとなる。ところが「赤切符」は免許停止になるだけでなく、裁判が行われて、罰金を支払い、しかも前科となる。ここで、問題となるのは自転車のユーザーには、自動車の免許を持っていない人がいるということだ。そして、免許を持っていない人が交通違反をすると、「青切符」がない。つまり、即「赤切符」となり、裁判所送りになるのだ。

「クルマの免許書を持っていないから、交通違反しても、なにも罰せられない」と言うのは、大きな勘違い。本当は逆になる。自転車での交通違反は、クルマの免許書を持っていない人のほうが面倒くさいのだ。

 ちなみに、自転車の交通違反の罰則は以下のようなものがある。

「飲酒運転は5年以下の懲役、または100万円以下の罰金」
「信号無視は3カ月以下の懲役、または5万円以下の罰金」
「一時不停止は3カ月以下の懲役、または5万円以下の罰金」
「無灯火は5万円以下の罰金」
「左側通行等の違反は3カ月以下の懲役、または5万円以下の罰金」
といった具合だ。これはごく一部であるが、全体として、罰則はそれなりに重いと言える。

 しかも、警察庁に電話で問い合わせしたところ、「詳細な数は発表していないが、赤切符を切られる免許なしの人の数は相当に多い」とか。

 街中で、信号無視や一時停止を守らない、無灯火という自転車は非常に多く見かける。もしも、警察がやる気を出せば、そうした違反者のほとんどは、裁判所へ出頭の上、罰金を支払うことになるのだ。

■違反で事故ると保険も効かない! やってはいけない自転車のこんな運転

 さらに最近は、自転車保険の加入を義務付けている自治体が増えている。東京都、神奈川県、仙台市、名古屋市、京都府、奈良県、大阪府、兵庫県、福岡県などは義務。義務ではないが、努力義務とする自治体も多い。

 警察により取り締まりが強化され、また自治体も事故に備えた保険の加入を押している。それだけ自転車を巡る世間の目は厳しくなっているのだ。

 しかし、実際のところ、自転車利用者のマナーの向上は、まだまだこれからというのが実感だ。筆者はモータ―ジャーナリストとしてクルマに関わっているが、ひとりのファンとして自転車を楽しんでいる。週末などの休日は、ロードバイクにまたがって河川敷のサイクリングロードを走っている。しかし、そんなときに気になるのが自転車ユーザーによる交通ルールの無視だ。

 何よりも問題となるのが”逆走”だ。自転車は歩行者ではなく、軽車両という属性だ。つまり、クルマの仲間となる。だから、どんな時も道路の左側を走るのがルールだ。ところが、どういうわけだが、堂々と反対の右側を走る自転車がいる。走行するクルマに気を使いながら道路の左端を走っている時に、向かいから逆走の自転車が来ると、本当に勘弁してほしいと思う。

 また、逆走の自転車は、クルマを運転しているときも厄介だ。いくら自転車がゆっくりとはいえ、追いかけるのと向かってくるのでは、相対するスピードが大きく異なるからだ。

進行方向から向かってくるとは思わないような場所で逆走されると、クルマ側としては避けようがない場合もある。自転車は左側通行であることを肝に銘じてもらいたい(DavidSch@Adobe Stock)

 ちなみに、平日の昼間に自転車で移動しているのは、比較的にママが多い。そうしたママたちが逆走しているシーンに何度も遭遇した。恐ろしいのは、自転車にママだけでなく、子供を載せていることがある。ひどいのになると、ママが運転する自転車の後ろに、さらに子供の自転車が続いている時がある。いったい、子供の安全をどう考えているのか、聞いてみたくなるばかりだ。

 また、自転車同士で無灯火は、それほど気にならない。しかし、クルマを運転する身としては、自転車の無灯火は本当に危険だ。自転車側はクルマが見えているだろうけれど、クルマからは無灯火の自転車は見つけにくい。右左折した先の横断歩道に無灯火の自転車がいてビックリしたことが何度もある。これはドライバーであれば、誰もが経験したことのはるヒヤリハットだろう。

反射材も身に着けず、無灯火で走るとご覧のようにシルエットがなんとなくわかる程度だ。それが突然目の前に現れた場合、ビックリした! と心拍数が上がるだけでは済まない事態になるケースがある(Michael@Adobe Stock)

 さらに自転車乗りには、「どこの歩道でも自転車OK」と勘違いしている人が多いようだ。これは大間違い。基本的に歩道は、歩行者のもの。「自転車もOK」という標識のある歩道だけ自転車が許される。つまり、歩道は歩行者が優先だ。それなのに、歩道において歩行者を蹴散らすようにスピードを出す自転車は非常に多い。危険なので、自転車を使う人は意識を改めるべきだろう。

 そして、最も危険な自転車の運転は、飲酒運転だろう。クルマの飲酒運転が危険であることは、世の中に浸透しつつある。しかし、自転車の飲酒運転に関しては、まだまだ。

 2020年は新型コロナ禍ということで、外出先での飲酒の機会は減っている。それでも出先で飲んで、駅から自宅までホロ酔い運転する自転車は消えることはない。

 警察に現行犯で捕まれば罰金は100万円以下という重罪だ。その状態で自転車の交通事故を起こしても、自転車の保険は使えない。気軽に乗れてしまう自転車だからこそ、飲酒運転は危険なのだ。

 自転車乗りとしても、クルマのドライバーとしても、飲酒しての運転は行ってはいけないと肝に銘じよう!

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