日産の人気コンパクトカー、新型ノートが2020年12月23日に発売された。約8年ぶりのフルモデルチェンジとなる新型だが、シリーズハイブリッドの「e-POWER」専売となった。
日産の意気込みを感じる一台だが、コンパクトカーカテゴリーには強力ライバルがひしめいている。トヨタ「ヤリス」とホンダ「フィット」だ。両者ともに2020年2月にフルモデルチェンジを行っており、その商品力も高い。
先代型が人気を博していたノートだが、新型になってもその勢いを維持できるのか!? ライバルとの長所・短所を比較しながら、その勝負の行方を予想する。
文/国沢光宏
写真/編集部、NISSAN
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■ディーラーは活況!先代型も優等生ポジションだったノート
日産「新型ノート」の人気が高い。発売直前の週末、(自身が所有する)リーフの急速充電をするべく日産ディーラーに行くと、けっこうな賑わいとなっていた。営業マンに話を聞いたら新型ノートの商談が多いそうな。先代ノートからの乗り換え客だけでなく、他銘柄から入ってくる人も多いのだという。果たして新型ノート、絶好調状態のトヨタ「ヤリス」とガチ勝負できるだろうか?
以下しっかり分析してみよう。2020年11月は、軽自動車を含む販売台数はヤリスが5カ月連続でベストセラーになっている。参考までに書いておくと11月の登録台数は1万9921台。そのうち5ドアHB(ハッチバック)の「ヤリス」が9883台、コンパクトSUVの「ヤリスクロス」が1万38台といった具合。言うまでもなくノートのライバルはヤリスのほうだ。
もう少し幅広いライバルで言えばホンダ「フィット」もトヨタ「アクア」も、ということになります。2017年の販売状況を見ると、このカテゴリーで最も売れていたのがノート。僅差でアクア。続いてフィット、ヤリスの先代にあたるヴィッツの順。アクアはモデル末期のため、当面ヤリスとフィット、ノートの激しいバトルになることだろう。
ちなみに新型ノートの場合、e-POWER(日産式ハイブリッド)しかない。ヤリスとフィットの台数には普通のエンジンも3~4割含まれているため、本来なら圧倒的に不利。されど今や電動化車両が超追い風になっているし、ガソリン代まで含めた総合コストでハイブリッドは普通ガソリンエンジンより安価というバックボーンもあります。
新型ノート、1位に返り咲けるだろうか興味深い。結論を出す前にライバルの分析からしてみましょう。まずヤリス/ヴィッツの売れ行きが伸び悩んでいた理由を挙げるなら、ライバルよりキャビンスペース狭かったためだと思う。ヴィッツは、ヨーロッパ市場のBセグメントとして開発されたためキャビンスペースを重要視していない。
ほとんど同じ価格帯に属すノートやフィットと比べ、明らかにリアシートやラゲッジスペースが狭い。コンパクトなクルマほどキャビンスペースの広さを望む傾向だからして(軽自動車が好例)、迷ったらヴィッツは厳しい戦いになっていた。実際、先代ノートとヴィッツを乗り比べると、誰だって「ノート広くていいね!」になると思う。
先代フィットも、先代ノートと同じくらい広いキャビンスペースを持っている。けれど先代フィットは、デビュー直後に不具合が多発した! 買った時期にもよるが、初期型だと6回ものリコールを出している。なかでもハイブリッドに不具合は集中しており、フィットをショッピングリストの載せるユーザーは激減したと考えていいだろう。
というなかでe-POWERを売りにした先代ノートは弱点なく絶好調! トヨタの場合、コンパクトカーを買おうという人がディーラーチャネルの関係でアクアとヴィッツに割れたこともあり、何度もノートはコンパクトカークラスのベストセラーになったワケです。3年前はノートにとってすべて追い風だったと言い換えてもよかろう。
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