トヨタ「GRスープラ」がまさかオープンカーに!「スポーツトップ」の市販化も期待したい!?

 2019年、17年振りの復活を果たしたトヨタ スープラには、今なお絶大な人気を誇る先代『A80型スープラ』のディテールが巧みに取り入れられている。そんな新型をベースに、アイコニックな特徴を与えたカスタマイズモデル『GRスープラ スポーツトップ』が、米国トヨタにて制作された。

 それは懐かしの「エアロトップ」仕様である。着脱可能なルーフを与えることで、気軽にオープンカーの開放感が味わえるスープラ・エアロトップの魅力が再現されたのである。米国トヨタが提案する新たなスープラの制作の裏側と魅力を紹介しよう。

文/大音安弘
写真/TOYOTA

【画像ギャラリー】一度は生で見てみたい! GRスープラ・スポーツトップとヘリテージエディションを写真でチェック!!


■SEMAショーの応援メッセージを込めたカスタマイズ・スープラ

SEMA360オンラインイベントで発表された2台のGRスープラ。白いボディのスポーツトップ(写真手前側)、赤いボディのヘリテージエディション(写真奥側)

 トヨタは、2020年12月21日に、米国にてカスタマイズカー『2021 GRスープラ スポーツトップ』をオンラインにて発表した。ホワイトのボディにブラックルーフの組み合わせは、スープラ初の2トーンスタイルとなるが、同時にルーフを取り外すと、秘めた情熱を連想させる真っ赤なインテリアが覗く。なんともお洒落な仕様である。

スープラ伝統のスポーツトップは、Tバールーフのようなセンターバーはなく、見渡す限りのオープンエアーが広がる。ワンオフで制作された左右2つのルーフパネルは、トランクに収納可能

 このカスタマイズ・スープラは、依然として世界で猛威を振るう新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、開催中止が決定された世界最大級のカスタマイズカーイベント「SEMAショー2020」の応援メッセージを込めて発表されたもの。

 2020年のSEMAショーは、「SEMA360」と名付けたオンライン形式のショーケースとして開催。トヨタもSEMA360を通じて、4台のカスタマイズを発表した。今回のお披露目は、その第2弾となり、アメリカのカスタイズ文化の象徴するSEMAショーの継続を願うトヨタの想いが込められている。

■人気のヘリテージエディションを発展!

 カスタマイズモデル「2021 GRスープラスポーツトップ」は、新たに制作されたモデルだが、SEMAショー2019で大きな反響を呼んだ「2020GRスープラヘリテージエディション」と共通のアイコンが与えられているのも特徴だ。

アメ車的佇まいのスポーツトップ(写真左側)。A80スープラをオマージュして制作された、ヘリテージエディション(写真右側)

 ヘリテージエディションは、1990年代に活躍したA80型スープラのディテールを取り入れ、チューニングとカスタマイズを行ったスープラだ。

 その特徴的なアイテムとして、丸目3灯式テールランプやアーチ形の大型リヤウィングが挙げられる。さらに前後の専用ディフューザーを与え、搭載される3.0Lの6気筒ターボエンジンは、最高出力を500ps以上まで高めるチューニングが加えられていた。

 スープラスポーツトップは、そのアイコニックなエクステリアをそっくり受け継ぎながら、着脱式ルーフを与えたものとなる。しかし、着脱式ルーフ仕様となるため、6気筒エンジンのチューニングについては言及されておらず、標準車に準ずるスペックようだ。ただヘリテージエディションの特徴となるでもあるリヤディフューザーは、新設計することで効率を向上。さらにセンターマフラーや足回りについては、ヘリテージエディション同様の仕上げが施されている。

■ただのルーフカットモデルにあらず……

 カスタマイズカーなので、ベース車は、市販仕様のスープラだ。当初の計画では、カットしたルーフ部を加工し、着脱式ルーフを製作する予定であったが、切断作業が非常に難しいだけでなく、カットしたルーフを再利用しても、着脱式ルーフに作り変えることができないことが判明。そこで3Dプリンターを用いて、新たなに樹脂製の着脱式ルーフが制作されることになった。

テキサス州のペイントショップ「KC」で行われたルーフカット作業の風景。難航した作業の様子は『Toyota USA』 YouTubeチャンネルで公開されている。切断したルーフはペラペラで再利用できなかった

 着脱可能なルーフは2分割式となるが、歴代スープラのエアロトップ同様にバーレス構造としたことが大きなこだわり。またトヨタによるカスタマイズということもあり、クオリティも徹底的に追求され、まさにエアロトップの復活を予感させるものだ。もちろん、ルーフカットによるボディ剛性への影響が生じないように、ボディ下部の補強対策も行われているという。

■市販を期待したいが……

 ワンオフモデルながら、市販車同様の高いクオリティが追及され、開放感溢れるドライブを予感させる「スポーツトップ」の市場投入を望む声は、かなり大きいだろう。そして、何よりもヘリテージエディションとスポーツトップが並んだ姿が、まるで80スープラが新車となって蘇ったように感じさせる。そんな懐かしさも魅力的だ。ただ現実的には、厳しいとは言わざるを得ない。

このままカタログモデルになりそうな2台。フロントリップスポイラーとリアウィングの変更で、よりグラマラスに見える

 新型スープラは、BMW『Z4』と基本コンポーネントを共有する共同開発車である上、生産自体もZ4とともにオーストリアにあるマグナ・シュタイアー社が請け負っている。そのため、生産効率にも影響を与える新ボディ形状の追加は、コストを意識するならば、相応の販売台数が求められる。

 かつてトヨタ『86』のオープンモデルのコンセプト『FT-86オープンコンセプト』が提案されたことがあったが、これも販売台数が望めないということでお蔵入りとなっている。確かにエアロトップ仕様のほうが、オープンカーよりも現実的ではあるが、生産効率や輸入車であることを難しいのだ。

 しかし、協業及び委託生産となる新型スープラのモデルライフは、噂によれば2025年という話も聞く。近年のスポーツカーとしては短命だが、それでもマイナーチェンジの機会が十分にある。特にメイン市場である米国ファンの声が高まれば、限定仕様という形でスポーツトップの誕生が叶うかもしれない。

  今は状況を見守るしかないが、米国トヨタの担当者も何とも罪なことをしてくれるもの。いやこれは開発サイドを焚きつけるための荒業だったのかも……。とにかくカスタマイズカー「スポーツトップ」の誕生には、米国でスープラが愛されていることを感じさせる。彼の地で日本車が愛されていることを素直に喜びたいと思う。

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