コロナ禍の今だからもっと真剣に考えたい「クルマの換気」 【水野和敏が提言!!】


■風向調整で換気能力は大きく変わる

 皆さん、インパネのエアコン吹き出し口をどのような風向に設定していますか?

 ヒーターを主に使うこの時期だとあまり意識しないかもしれませんが、夏場を思い出してください。

 クーラーをつけて、その冷たい風を浴びたいため、すべての風向を自分に直接当たる方向に向けていませんか。

 また、寒いこの時期でも、早朝など車室内が冷え切っている時、温風を自分に直接当てているのではないでしょうか。

 一人での乗車ならそれでもいいですが、後席に人を乗せた場合はダメです。

 フロントシートが壁になり、後席に風が行かず、後席左右の乗員スペースの空気が滞留し、換気が不充分になります。

 つまり、インパネの吹き出し口から出た風は、前席乗員の身体に当たり分散されます。上方に流れた風はルーフに沿ってリアウィンドウに流れ車外に排出されます。前席シートの間を抜けた風はそのままリアウィンドウに流れていきます。

 この場合、後席左右乗員が座っているエリアは風の流れがないため、澱んだ車室内の空気は滞留することになります。(図2)

(図2)左右の乗員スペースの空気が滞留して換気効率が悪い

 ではどうするか?

 インパネ左右の吹き出し口を、サイドウィンドウ側に向ければよいのです。

 こうすることで、前席シートバックとサイドウィンドウの隙間に沿ってエアコンの風の流れが生まれ、中央のシートの間を流れる風とあわせて左右から後席乗員の顔から腰の周りまで空気を循環させます(図3)。すると後席乗員にフレッシュエアが供給され、車室内の換気が効果的に行えます。

(図3)図のようにサイドウィンドウに向けた風向とすることで後席に風を循環させることができ、換気効率が高くなる
インパネ両サイドの風向はサイドウィンドウに向ける
これにより、後席に効果的に風を循環させることができるのだ

 実は後席に人がいなくても、この風向設定がお勧めです。

 冬場の冷え切った車内や、夏場の暑くなった車内全体を素早く快適な温度にするためにも効果的なのです。

 直接エアコン風をドライバーの身体に当てる風向だと、結局、先述のように後席部分の空気が循環しないため、車内にいつまでたっても暑い空気や寒い空気が残ります。

 ところが、今説明した風向設定とすれば、車室内の空気が効果的に循環し、十秒ほどでエアコン調整された温度の空気に入れ替わります。もちろん、『外気導入』モードであることが大前提です。

 このように、クルマの構造を知ることで上手なエアコンの使い方ができ、コロナ禍での車内換気も効果的に行うことができるのです。

 さらに煙草臭など車内の異臭の除去も、換気性能のいいクルマと上手なエアコンの使い方で大きな差が出るのです。クルマはどれも同じではなく、買う時にも、エアコンにPM2.5フィルター付きなどを選ぶといいでしょう。

 重要なことなので繰り返しますが、『内気循環』モードはあくまでも非常用で、常時『外気導入』モードでの使用を推奨します。

【画像ギャラリー】車内換気の「正しい方法」を写真でおさらいしよう!!