やっぱり王道は3ドア!? MINIの5ドアは邪道なのか


 今や5ドアも市民権得た!? それともMINIの正統はやっぱり3ドア?

 近年、ハッチバック車で後席ドアを持たない3ドアモデルは、めっきり見かけなくなった。かつて3ドアの設定があったシビックやヤリス(GRヤリス除く)、マーチなども今は5ドアモデルのみとなっている。

 そんななか2020年も輸入車のモデル別新車販売トップに輝くなど日本で最もポピュラーな輸入車のひとつ「MINI」も、現行モデルからついに5ドア車を導入。長年3ドアが基本だったMINIの5ドアはどうなのか? 今でも3ドアに優位性があるのか? 多分に「好み」も影響するこの命題を考えてみたい。

文/清水草一、写真/MINI

【画像ギャラリー】3ドア派も5ドア派も、みんな仲良くMINIファミリー! 現行MINIの全ラインナップを写真で見る!!


■日本で有数のメジャー輸入車に成長した「MINI」

BMW傘下ブランドの初代MINIが発売されたのは2001年。約20年間、3代を経て日本でもメジャー輸入車の筆頭に成長した

 輸入車のモデル別販売台数ランキングは、MINIが5年連続のNo.1となった。
そう聞くと「えっ?」と思ってしまうが、MINIは全モデルがMINIなので、3ドアも5ドアもクラブマンもコンバーチブルもクロスオーバーも全部「MINI」。よって、メルセデスベンツAクラスやVWゴルフを抑えて、1位になるのでした。

 MINIがモデル別で1位になったのは2016年からだが、2015年から台数がグッと伸びている。その原動力となったのが、5ドアの発売だ。

 それまでは、MINIの5ドアが欲しければ、ふたまわりくらい大きいクロスオーバーを選ぶしかなかったが、現行型の第3世代MINIは、ついにスタンダードモデルにも5ドアが用意された。

 MINIの販売台数の細かい内訳は公開されていないので、実際どういう販売割合になっているか不明だが、中古車の流通台数から推測すると、MINI 3ドアよりもMINI 5ドアのほうが、わずかに多く売れているようだ(クラブマン、コンバーチブル、クロスオーバーは除いての比較)。

 日本では、3ドアハッチバックのような2枚ドア車はほとんど売れなくなっていて、輸入車でもスポーツカーを除くと、MINIのほかにはフィアット500くらいしか残っていない。異形の人気を誇っていたルノー メガーヌR.S.も、現行型から5ドアになった。

 そんななか、MINIのスタンダードモデルに関しては、まだ3ドアが半分近くも(推測です)売れているのは快挙だが、逆に言うと、「MINIと言えば3ドア! それ以外は邪道!」という意識が、クルマ好きを中心に根強く残っていることもうかがえる。

 やっぱりマニア的見地からは、MINIの5ドアは邪道なのだろうか?

■クラッシック・ミニが「王道は3ドア」の源流

元祖MINIが登場したのは1959年。それから41年間一度もモデルチェンジすることがなく2ドアモデルだけを作り続けた

 まず、MINIというクルマをおさらいすると、元祖が誕生したのは1959年で、そこから41年間、一度もモデルチェンジすることなく、2ドアモデルだけを作り続けた。元祖MINIには4枚ドア車はなかったという事実が、「5ドアは邪道!」という意識の原点にある。

 元祖MINIが狙ったのは、極限の経済性を持った4人乗り乗用車。そのために当時革新的だったエンジン横置きの前輪駆動とし、現在の軽よりはるかに小さいボディサイズで、大人4人がきちんと乗れるよう設計された。

 さすがにいま後席に乗るとかなり窮屈に感じるが、体のサイズが平均的なら、頭や足がつっかえることは一応ない。

 また、極限まで切り詰めた設計により、タイヤサイズはたったの10インチ。FFだから床下にドライブシャフトを貫通させる必要もないので、床は非常に低く、重心も低くなった。

 サスペンションストロークも極限まで切り詰められ、結果的にほとんどロールしないゴーカートのような操縦性に。これがラリーでの大活躍へとつながった。

 実際のところ元祖MINIは、前席に乗る限り痛快な乗り物だったが、リアサスペンションがほんのわずかしかストロークしないので、路面が悪いと、後席の乗員はすごい突き上げに襲われる。

 MINIの誕生当時、イギリスの経済状況は最悪で、贅沢は言ってられなかった。いわば経済的困窮が、MINIという稀代の傑作を生んだのです。

次ページは : ■新生BMW MINIでも5ドア設定は現行モデルが初

最新号

ベストカー最新号

【新型プリウス デザイン判明!!】 EVスポーツで「セリカ」復活|ベストカー6月10日号

 外出自粛が続く今、自宅で紙の「ベストカー」本誌を眺めるのもいいものです。本日5月10日発売のベストカー6月10日号、注目企画はトヨタのこの先のパワーユニット戦略を暴くスクープ。水素燃焼エンジンやe-FUELの開発状況にも迫ります。  その…

カタログ