■おすすめ超熟成ミニバンはエスティマとデリカだ!!
【エスティマ(発売:2006年)】
卵型の外観にはファンが多く、1か月に800〜900台は売れる。アルファードの3500台に比べると大幅に少ないが、一定の需要があるから廃止するのは惜しい。
だからといってフルモデルチェンジはできない。ミニバンの需要は、先行きが不透明であるからだ。
そこで中途半端だが、規模の比較的大きな改良を行った。緊急自動ブレーキを作動できるトヨタセーフティセンスCも装着して、生産と販売を続けている。
外観が飽きられて売れ行きが本格的に減少したり、法規への厳しい対応が迫られない限り、エスティマは改良を施しながら販売を続けるだろう。
卵型のボディスタイル、上質な内装、フラットフロア構造でありながら少し重心を抑えたボディ、床下格納で広い荷室に変更できる3列目シートなど、ほかのミニバンとは違う魅力が備わるからだ。
【デリカD:5(発売:2007年)】
デリカD:5は発売されて10年以上を経過するが、今でも選ぶメリットが多い。まずミニバンの4WDでは悪路の走破力が最も高く、その水準は本格的なSUVのアウトランダーに匹敵することだ。
居住性は全長が4800mm以下のミニバンでは最も優れている。特に3列目シートの広さと座り心地が際立ち、日本車のミニバンでは、ヴェルファイア&アルファード、オデッセイに続いて快適だ。
そして国産のミニバンでは、唯一クリーンディーゼルターボを搭載する。実用回転域の駆動力は自然吸気ガソリンエンジンの3.5L並みで、この特性は悪路を走破する時もメリットになる。
これらの特徴を備えるために、何台もデリカD:5を乗り継ぐ熱心なファンが多い。1か月の販売台数も平均1000台を超えている。
■SUVはパジェロとFJクルーザーが安定感大
【パジェロ(発売:2006年)】
今のSUVには、乗用車のプラットフォームを使った前輪駆動ベースのシティ派が圧倒的に多い。
悪路向けのSUVは、走破力が高い代わりに舗装路での取りまわし性が悪く、ボディサイズの割に居住空間が狭い。乗用車と共通化できるパーツが少ないために価格は高く、売れ行きを下げた。
そのためにオフロードSUVは車種数も減らしている。パジェロは貴重な存在だが、現行型の発売は2006年で、1か月の販売台数は100台以下にとどまる。
それでも売り続ける理由は、1982年に発売された三菱の代表車種で、海外では相応の人気を得ているからだ。
運転すると走行安定性に古さが感じられて緊急自動ブレーキなども備わらないが、悪路の走破力は依然として高い。
三菱の開発者は「パジェロのようなオフロードSUVを前輪駆動ベースの4WDで開発しようと試してみたが、ボディ形状の制約もあって無理だった」という。つまりパジェロの悪路走破力は、今でも三菱のSUVではナンバーワンというわけだ。
足まわりが柔軟に伸縮するから乗り心地も快適で、設計は古くなったが、オフロードSUVの醍醐味を濃厚に感じさせる。3ドアのショートボディは廃止されたが、5ドアのロングは今後も製造を続ける。
【FJクルーザー(発売:2006年/日本国内は2010年)】
FJクルーザーは遊び心を感じさせる北米専用のSUVとして開発され、2006年に発売された。この後、日本にも並行輸入されたが、2010年になってトヨタが正式に国内発売した。
なぜ北米の発売から4年も経過して国内に導入したのか。この点を開発者に尋ねると「FJクルーザーは外観が個性的で走りも楽しく、購入後にカスタマイズする楽しさもある。
国内で売ることで、若い人達にクルマへの関心を高めて欲しい。日本市場の活性化も視野に入れて発売した」と言う。
あれから7年を経過して、FJクルーザーは生産を終えた。今は少数の在庫販売のみだが、以前は1か月に200〜300台を堅調に売っていた。外観は個性的で、内装は汚れを落としやすい。
エンジンはV型6気筒の4Lで、4WDは副変速機を備え、舗装路は後輪駆動の2WDで走る悪路向けのパートタイム式だ。FJクルーザーの持ち味は国内市場でも相応の人気を得ており、日本のユーザー層の幅が広いことを感じさせた。
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