近年の自動車はスマートキー(電子キー)が普及し、キーが車内にあればロックがかからないようにするセーフティ機能も付いている。そんなスマートキーにも関わらず、いまだにJAFの出動件数は年間で約15万件もあるという、なぜなのだろうか!?
今回は、なぜキー閉じ込みが発生しやすいのかという理由から、クルマを使うドライバーの意識が変わってきているという問題まで含めて、その実態に迫っていきたい。
文/高根英幸
写真/Adobe Stock
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■なぜ起きる!? 季節問わず発生する「キー閉じ込み」の実態
クルマは機械である以上、いつかは故障する。それが路上であればたちまち立ち往生となって、ロードサービスに救援してもらうことになる。そうならないために点検整備して、一定期間使用したら買い替えているのだが、クルマは故障しなくても、ドライバーのうっかりミスでロードサービスのお世話になることもある。
その代表的なケースが、「キー閉じ込み」による立ち往生である。キーを車内に置いたままドアを施錠してしまい、ドアが開けられない、乗車できない状態になってしまうというものだ。
実際、JAFのロードサービスの出動理由を見てみると、バッテリー上がり(過放電、劣化を含む)やパンク、脱輪に次いでキー閉じ込みが多い。これは季節を問わずであり、年間でおよそ15万件もの救援要請があり、それだけのうっかりドライバーが存在することになる。
それにしても不思議に思う読者もおられるのではないだろうか。キーレスエントリーがほぼ全車に採用され、スマートキーも大半のクルマでなぜキー閉じ込みが起こるのか、ということを。
普通に考えれば、キー閉じ込みなぞ起こすハズがないと思うだろう。しかし15万件の救援要請が証明しているとおり、ロードサービス隊員は毎日およそ410件近くのキー閉じ込みトラブルに対応しているのである。
いささか古すぎる話で恐縮だが30年くらい前までは、ドアロックはキーシリンダーにキーを差し込んで回すか、ドアロックをかけた状態でドアノブを引き上げながらドアを閉めることで施錠できた。この場合、万一イグニッションスイッチにキーを挿したまま、ドアを閉めてしまうことでキー閉じ込みをしてしまうケースは多かった。
しかし、集中ドアロックが標準装備となり、半ドアやドアが開いている状態ではドアをロックしなくなると、このドアロック方法は使えなくなった。したがってドライバーが意図的にドアロックをして、キーを車内に閉じ込めてしまうトラブルは解消しているハズなのである。
JAFのロードサービス隊員に尋ねたところ、比較的多いケースはキーのスイッチでトランクだけを解錠し、荷物と一緒にキーをトランクに入れてしまい、そのままトランクを閉じてしまったというものらしい。
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