今、国産自動車メーカーの“第二勢力”として勢いを増しているのがスズキだ。実は軽を含む2017年の四輪国内販売は、日産を上回り3位と“3大メーカー”の一角を崩すほど好調。
「小さく、軽く、安い」を地でゆく車作りの路線は、他社とは一線を画し、独自の存在価値を発揮している。では、車そのものの評価は、トヨタ・日産・ホンダの3台メーカーの車と比較してどうなのか。
文:清水草一/写真:編集部
ベストカー2018年3月10日号
スイフトスポーツ VS トヨタ 86
スイフトスポーツは、コンパクトカーをベースとしたスポーティ車、トヨタ86は後輪駆動のクーペと、両車の立ち位置は違う。だが、手ごろなサイズと価格のスポーティ車という意味で、スイフトスポーツと86は、ともに定評ある2台だ。
86は涙が出るほどいいクルマだが、クーペなのにカッコよくない。どうにもデザインが凡庸でイカン。
対するスイフトスポーツは5ドアハッチバックで、2ドアクーペの86とガチンコで比べても無意味ではあるが、デザインも中身も実にしっかりしてるし、86同様モータースポーツへの参加も大アリ。居住性も充分なので、そのほかあらゆる用途に応えてくれる。
真面目な話、スイフトスポーツの万能性は呆れるほど高い。高齢者の送迎から通勤、ワインディング走行、ロングドライブ、なんでもまったくムリなくこなすはず!
ハイオク仕様ではあるが、本当の本気で国民車になれる素質がある。86は希少なFRクーペであり、それはそれで大変スバラシイが、この勝負、スイフトスポーツの勝利だ。
スペーシア VS ホンダ N-BOX
今や軽自動車のみならず、登録車を含めてもぶっちぎりの売れ行きを誇るホンダ N-BOX。ガチンコライバルのスペーシアは、軽の王者にどこまで迫れているのか?
ブッチギリでホンダ N-BOXの勝利。スペーシアも決して悪くないし、軽初のヘッドアップディスプレイや安全装備の充実で頑張っているが、なにせN-BOXはシャシーの作りのレベルが違う。
居住性や使い勝手はいい勝負、デザインはどっちもイマイチでどんぐりの背比べ。
カスタム同士のオラオラ顔勝負では、スペーシアカスタムのほうが、うまくアルファード風にまとまっていて勝っているが、N-BOXの走りの質感はあまりにも異次元で、ほかの軽は対抗不能だ。エンジン&CVTの仕上がりも微妙にN-BOXのほうがイイ。
スズキとしても、「まさかここまでやるとは」と、N-BOXのデキには降参せざるを得ないんじゃないか? たぶん敵ながらアッパレだと思っているに違いない。
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