【スープラ、シルビア…】30年前日本車市場を彩った「黄金世代」のクルマたち

■日産2代目レパード 1986年発売

日産2代目レパード
日産2代目レパード

 1986年2月、レパードは初めてモデルチェンジを敢行した。コンセプトは「アダルト・インテリジェンス」だった。人間にやさしいテクノロジーを持ったスペシャルティカーに生まれ変わっている。

 大ヒットしたライバル・ソアラの人気にあやかろうと、2代目は4ドアモデルを整理し、2ドアハードトップだけに絞り込んだ。ウエッジシェイプのエレガントなデザインをまとい、メーターは視認性に優れたデジタルメーターを主役とした。ソアラより大人っぽいスタイルだった。

 エンジンはV型6気筒で、3LはDOHC4バルブ、2LはSOHCとSOHCターボだ。が、攻めの姿勢を貫いてDOHCターボを主役に据えた2代目ソアラ(1987年にデビュー、後述)の前に、販売は低迷した。

 そこでレパードは1988年夏、3LモデルにビッグトルクのV型6気筒ターボを、2LモデルにはDOHCターボを追加している。

 ソアラほど人気は出なかったが、TVドラマ『あぶない刑事』シリーズで印象的に活躍し、同作のファンを中心に根強い人気を博した。

■トヨタ2代目ソアラ 1987年発売

トヨタ2代目ソアラ
トヨタ2代目ソアラ

 1981年に登場した初代ソアラは大ブレイクし、モデル末期になっても安定した売れ行きを見せた。そのままの勢いでトヨタは1987年1月にソアラをモデルチェンジさせている。

 2代目はデザインこそキープコンセプトだが、メカニズムは革新的だ。サスペンションは4輪ともダブルウイッシュボーンに進化し、3段階の自動可変機構を備えた電子制御エアサスペンションも設定している。速度感応式のパワーステアリングはクイックなラック&ピニオン式だ。

 パワーユニットもDOHC4バルブに進化。3Lエンジンは当時の最強スペックを誇ったDOHCターボの7M-GTEU型である。2Lは1G-GEU型DOHCと1G-GTEU型DOHCツインターボを設定し、ライバルを震撼させた。

 自慢のトヨタエレクトロマルチビジョンも進化させ、魅力を広げている。時代を先取りした電動開閉式ルーフのエアロキャビン(限定発売)も若者たちの羨望を集めた(とても買える値段ではなかったが)。

■ホンダ3代目プレリュード 1987年発売

ホンダ3代目プレリュード
ホンダ3代目プレリュード

 ホンダ初のスペシャルティカーがプレリュードだ。時代に先駆けて(スポーツカーを標榜していても)FF方式を採用し、スタイリッシュな2代目はデートカーとして持てはやされた。

 結果的に60万台を売る大ヒット作となった2代目プレリュードは、1987年4月にモデルチェンジしている。3代目のプレリュードは2代目を思わせるキープコンセプトデザインだが、ヘッドライトはリトラクタブル式だ。

 メカニズムは、当時のホンダの最新技術をふんだんに盛り込んでいる。

 サスペンションは4輪ともダブルウイッシュボーンに進化し、冴えたフットワークを見せつけた。が、それ以上に注目を集めたのは、世界で初めて採用した機械式の4輪操舵システム(4WS)だ。

 前輪の舵角が小さいときは逆位相に動き、軽快な身のこなしを、舵角が大きくなると同位相に動いて取り回し性を向上させる。エンジンは2LのB20A型直列4気筒だ。DOHCのほか、SOHCのデュアルキャブ仕様も用意されていた。

■日産5代目(S13)シルビア 1988年発売

日産5代目シルビア
日産5代目シルビア

 日産を代表する流麗なスペシャルティカーがシルビアだ。3代目からはヤンチャなイメージが付きまとったが、1988年に登場したこの5代目のS13型シルビアは違う。知的な20代後半のデート世代を狙い、エレガントなデザインに生まれ変わったのである。

 プロジェクターヘッドライトとヘッドアップディスプレイが注目の先進装備だった。また、走りの実力を左右するメカニズムにも新しい技術を積極的に採用した。

 ライバルがFF方式に転換するなか、シルビアはFR駆動にこだわり続けていた。リアサスペンションは革新的なマルチリンク式だ。また、4輪操舵のHICASを進化させたHICAS-2をオプション設定し、異次元の気持ちいい走りを実現した。

 エンジンは当初1.8LのCA18DE型直列4気筒DOHCとインタークーラー付きターボだが、1991年には2Lの名機・SR20DE型とターボのSR20DET型に換装。さらに刺激的な走りを手に入れた。

 ターボエンジンを搭載するトップグレードを「K`s」、NAながら装備が充実したミドルグレードを「Q`s」、安価なベースグレードを「J`s」と名付けるなど(トランプのキングとクイーンとジャックがモチーフ)、当時の若者たちのツボを突くおしゃれさがあった。

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