マツダのディーゼルは「選択と集中」で存続へ
かつてアクセラスポーツが搭載した2LのガソリンエンジンはJC08モード燃費が19km/Lだったから、25%向上すれば23.8km/Lくらいだ。
現在の1.5Lディーゼルエンジンを搭載するアクセラ15XDが21.6km/Lだから、動力性能は異なるものの、燃料代の出費は同程度に収まる可能性がある。言い換えればSKYACTIV-Xは、2Lガソリン、1.5Lディーゼルの後継になり得る。
SKYACVTIV-Xの排気量は、2Lに加えて2.5Lに拡大することも可能だが、スーパーチャージャーを併用するからコストアップは避け難い。
従って価格の安いデミオに搭載するエンジンは、SKYACTIV-Xが実用化された後も、現在と同じ1.3L~1.5Lの自然吸気を継続併用する可能性がある。
2.2Lディーゼルターボも同様だ。CX-8では最大トルクが45.9kgm(2000回転)と高く、JC08モード燃費も17.6km/L(2WD)に達する。この動力性能と燃費効率はディーゼル特有だから、SKYACTIV-Xで実現させるのは難しい。
問題は1.5Lのディーゼルターボで、前述のようにSKYACVTIV-Xに吸収される可能性がある。
縮小してもディーゼルが存続すべき理由
以上のようにマツダのエンジンは、低価格車が1.3L~1.5Lの自然吸気ガソリン、中級から上級は2L~2.5LのスカイアクティブX、2.2Lのディーゼルターボになりそうだ。
ただしディーゼルは、欧州の今後の動向次第では、縮小されることもあるだろう。そこを考慮すると、今後のマツダの主力エンジンはSKYACTIV-Xになりそうだ。次期アクセラを手始めに、アテンザ、CX-5、CX-8などに搭載される。
今後は安全装備や運転支援機能、自動運転まで含めて、車両の開発には多額のコストを要する。
環境/燃費性能も向上させねばならない。選択と集中が求められ、欧州市場の反応も含めて、マツダを始めとするメーカーはディーゼルエンジンの種類を抑えることになるかも知れない。
それでもディーゼルには、運転感覚から燃費性能まで独特の良さがある。日本でも以前は悪者扱いされたが、今は環境性能の優れたエンジンとされ、是非はともかくだがクリーンディーゼルが補助金の対象にもなった。
ディーゼルに限らず各種の技術は、改善を加え、利用価値を探りながら存続させるべきだろう。
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