担当がホンダディーラーにいった時のこと。「決算期のディーラーの販売実績がなかなかよくて。N-BOXだけじゃなくて登録車も含めて平均的に売れているんですよね」と、ディーラーマンが聞きもしないのに教えてくれた。
よほどうれしかったようで、5分ほどその話が続いたのだが、たしかにホンダのクルマは「平均的に」売れている。一車種だけに依存しているわけではなく、N-BOXという大スターを擁した最強軍団というふうにも見えてきた。
月に200店舗のディーラーをまわる遠藤徹氏は販売現場をどう見ているのか、そして2018年の下半期のホンダの新車攻勢がすごいというのは本当なのか聞いてみました。
文:遠藤徹/写真:平野学、藤井元輔
■ホンダ販売台数2位の秘訣はいったい!?
ホンダ2017年度国内新車販売台数は72万4779台でトヨタに次いで業界2位と堅調な伸びを示した。登録車が前年度実績を0.9%下回ったものの、軽自動車が新型N-BOXの好調な販売に支えられて5.4%プラスだったことが貢献した。
登録車がマイナスといってもトヨタの2.9%減、日産の5.0%減よりもマイナス幅はずっと小さかったので、シェアはほぼ前年並みを確保し、軽自動車は0.2ポイントアップした。3月の決算セールでは大々的に全国規模でセールを展開。
同月の新車販売台数は登録車が5万705台、前年同月比1.7%増、軽自動車4万3121台、同0.5%増でどちらも市場全体を上回りシェアをアップさせた。
要因として上げられるのは登録車ではフィット、フリード、ヴェゼル、ステップワゴン、シャトル、軽自動車はN-BOXなどの主力モデルが好調でリード役を果たした。
決算セールでのキャンペーン企画の成果も大きい。1~3月まで1.9~3.5%の低金利残価設定クレジット、5~10万円のナビなどオプション、ドライブレコーダープレゼントなど対象車種を変えて実施したことも増販要因として上げられる。
具体的には1.9%の残価設定クレジットはステップワゴンスパーダ、フィット、オデッセイが対象で他は3.5%。
10万円のナビ購入クーポン進呈はステップワゴンのガソリン車、5万円用品プレゼントはN-WGN、ドライブレコーダーはフィットなど。オプションプレゼントの原資はメーカーのホンダが支援金として拠出したものである。
首都圏にあるメーカー資本系ホンダカーズ店の営業担当者は「フィット、フリード、ヴェゼル、ステップワゴンを中心に売れ行き好調だった。低金利残価設定クレジットやオプションプレゼントのキャンペーン効果も後押ししている。残価設定クレジットは半分以上のお客さんが利用するようになった」とコメントしている。
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