■無敵なN-BOXだけじゃない!! 登録車も平均的に売れている
3月の新車販売台数における乗用車ブランド通称名別ランキングでは登録車だとフィットが5位、フリード8位、ヴェゼル12位、ステップワゴン13位、シャトル32位、オデッセイ39位、シビック41位でベスト50に7車種ランクされ、日産の6車種よりも1車種多い。
軽自動車はベスト15に1位N-BOX、9位N-WGNと2車種だが、N-BOXが2位以下を大きく引き離し、シェアアップの原動力となっている。
メーカーであるホンダの積極的なモデル展開と販売店を含めた増販キャンペーンによる相乗効果が寄与しているといえそうだ。
2017年中盤以降のニューモデル展開を辿って見ると6月にフィットをマイナーチェンジしたのを皮切りに7月新型シビックシリーズ発表、同月グレイスマイナーチェンジ、月N-BOXフルモデルチェンジ、9月シャトルマイナーチェンジ、同月ステップワゴンマイナーチェンジ&ハイブリッド追加、11月オデッセイマイナーチェンジ、12月N-ONE一部改良という状況だ。
6月以降12月まで毎月のようにフルモデルチェンジ、マイナーチェンジ、追加モデル設定などのニューモデル展開を実施した。
さらに今年に入ってからは1月N-BOXスラッシュ一部改良、2月ヴェゼルマイナーチェンジと続けている。こうした積極的なニューモデル攻勢はトップメーカーのトヨタを凌ぐほどである。
これに対してホンダディーラーは「絶えずニューモデルを投入してくれるのは有難い。お客さんの来店機会が多くなり、新型車効果で販売台数を増やすことができる。商談のきっかけが作れるので交渉が早くまとまったりする。」(首都圏ホンダカーズ店)と一様に明るい表情を見せる。
■ホンダは今後も新車攻勢で2位をキープし続けられるか
ホンダが目指すのは国内新車販売で安定的に2位を確保することである。現在は辛うじてキープしているものの日産、スズキ、ダイハツとは僅差であり、月別だと2位から4位をいったり来たりしている状況。
かつては年間販売100万台、シェア20%達成を掲げて販売店に発破をかけたりしていた。
最近はマーケットの低迷もあり、この旗を下し、シェア15%確保、80万台を直近目標とし、100万台は次のステップとして先送りしている。
販売店の営業担当者は「以前は何が何でも100万台達成のためにうるさく販社ごとの目標台数を指定され、強力に押し付けられたりしたが、最近は台数よりもシェアや質の販売に重点が移り実質的な成長を目指すようになった」と販売政策の路線変更を打ち明けている。
ただライバルに負けない商品ラインアップの強化は引き続き積極的に進めている。
ホンダが強く意識する他メーカーの車種は登録車だとフィットがアクア/ヴィッツ/ノート、ステップワゴンはヴォクシー/セレナ、フリードがシエンタ、ヴェゼルはC-HR/CX-3/エクストレイル、シャトルとグレイスはカローラシリーズ、N-BOXはタント/スペーシア、N-WGNはワゴンR/ムーヴなどだ。
登録車はトヨタ、日産が多く、軽自動車はダイハツ、スズキのビッグ2となっている。最近は軽自動車の大手であるダイハツ、スズキを強く意識するようになっていることが伺える。
業界2位を安定的に確保するには最近は日産よりもスズキ、ダイハツの台頭が著しくなっているという背景があるのかも知れない。
今後ともホンダは積極的なニューモデル展開で増販攻勢をかける構えだ。今年5月以降の新商品投入は5月に新型軽商用車「N-バン」を発売するのをはじめ同月ジェイドのマイナーチェンジ&2列シート5人乗り車追加、7月ヴェゼルに1.5ターボ車追加、8月クラリティPHEV、9月新型CR-Vの各発売、そして11月には新小型ハイブリッド専用セダンを発売する。
この中で量販が期待できる戦略モデルはN-バン、CR-V、ハイブリッド専用セダンであろう。N-バンはバモス/バモスホビオの後継モデルだが、N-BOXをベースに助手席側センターピラーレスのレイアウトが特徴。これによって嵩物の出し入れがし易いメリットがある。
人気が高まれば5ナンバーのワゴン設定も追加されるはずである。CR-Vは2列シート5人乗りの他3列シート6人乗り車も設定される。パワートレインは2リッターハイブリッドと1.5ターボを搭載。ハイブリッド専用セダンはシビックセダンベースの4ドアファストバックレイアウト。
パワートレインは新開発1.5リッター&2モーターで同クラス最高の低燃費実現を目指して開発を進めている。これによってホンダの2018-2019年はさらに増販気運を盛り上げることになりそうである。
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