車のお国柄、健在!? 日本車と欧州車 現行車にみる各国車の味


最もドイツ車的でないのは日本車?

欧州はじめ世界各国ではヤリスとして売られるトヨタ ヴィッツ.
コスパと信頼性では右に出るモノなしの日本車。例えばヴィッツも世界各国で売られ、トヨタ車のなかで世界販売4位に輝くモデルだ

いっぽう、この“ドイツ的価値観”から意外にフリーなのが日本車だ。日本車のメインは、廉価なコンパクトカーや中級セダンあたりまで。

このジャンルは、コストパフォーマンスが高く信頼性に優れていれば、ブランドや生産国を問わずグローバル市場で評価してもらえる。

日本車は欧州勢に先駆けて北米市場に進出し、そこで大きなシェアを確保したが、その原動力はこのコスパと信頼性。アジアを中心とする新興国で強いのも同じ理由からだ。

ただ、コスパと信頼性だけだと「日本車ならではの個性って何?」と問われた時にちょっと苦しい。また、韓国や中国などの新興勢力から追い上げられた時、どう差別化を図るかという点も課題だろう。

この部分で、今の日本車が世界に誇れるのは、燃費性能の高さ。やはり、ハイブリッドやPHV、あるいはEVやFCVなど、エネルギー効率を高めるための技術開発を続けることが、今後の日本車生き残りのカギになるのではないかと思う。

日独仏伊らしさを色濃く残す現行車

というわけで、日本車、ドイツ車、イタリア車、フランス車の現行車で「もっともその国の車の個性を表わしている現行車」を1台ずつあげよ、というお題の回答は次の4台。

■日本車/トヨタ プリウスPHV

世界に誇るブラグインハイブリッド技術を誇るプリウスPHV

THSという偉大なハイブリッドシステムを発明した功績は、自動車史に刻まれる金字塔。それをベースに、EV走行68.2kmを可能とするPHV化したんだから、燃費規制や車の電動化というトレンドの中では世界最先端をゆくクルマにグレードアップしている。

現行プリウスは、新プラットフォームTNGAによって「燃費以外見所のないクルマ」という悪評をかなり払拭。趣味性は別にして、低燃費で使い勝手のいい乗用車という条件で選んだら世界一といっていい。

■ドイツ車/メルセデスベンツ S450

直6エンジン搭載でも話題のS450は、ベンツらしいスタビリティのよさを体現する1台

直6を復活させるなど、内燃機関を絶対に諦めていないということを示しつつ、高度なマイルドハイブリッドシステムを組み合わせて燃費効率を追求する。

THSとは別のアプローチで、機械として精密高度なものを目指すドイツ的な車造りを感じる。

もちろん、ベースのSクラスも典型的なドイツ風味の高級車。先進安全装備てんこ盛りなところも「最善か無か」というスローガンを裏切らない。

■イタリア車/フェラーリ 488GTB

呆れるほど官能性能に優れるフェラーリ 488GTBはまさにイタ車の象徴

イタリアでしか造れない、イタリア的価値観の権化。自動車は基本的に実用品かもしれないが、それを芸術にまで高められるのはイタリア人だけ。そして、フェラーリこそその頂点に君臨する大輪の花だ。

フェラーリがイタリア経済に貢献している数字などは大したことないかもしれないが、この車が存在することによってどれだけのイタリア人が自国のクルマに誇りを抱くか。お金に代えられない、まさにイタリアの国宝だと思う。

■フランス車/シトロエン C4ピカソ

フランス車らしいソフトな足回りとシートも相まって良好な乗り心地を体感できるC4ピカソ

ハイドロニューマチックの“シトローエン”が手に入るなら絶対にそれを選ぶのだが、まさにグローバル化の波によって高コストなハイドロ・シトローエンは終焉を迎えてしまった。

そうなると、次点でもっともかつてのシトローエンらしい乗り味の車がC4ピカソという感じ。同じミニバンでもフランス人が解釈すると日本車とまったく違う答えが出るという意味でも興味深い。