日独仏伊らしさを色濃く残す現行車
というわけで、日本車、ドイツ車、イタリア車、フランス車の現行車で「もっともその国の車の個性を表わしている現行車」を1台ずつあげよ、というお題の回答は次の4台。
■日本車/トヨタ プリウスPHV
THSという偉大なハイブリッドシステムを発明した功績は、自動車史に刻まれる金字塔。それをベースに、EV走行68.2kmを可能とするPHV化したんだから、燃費規制や車の電動化というトレンドの中では世界最先端をゆくクルマにグレードアップしている。
現行プリウスは、新プラットフォームTNGAによって「燃費以外見所のないクルマ」という悪評をかなり払拭。趣味性は別にして、低燃費で使い勝手のいい乗用車という条件で選んだら世界一といっていい。
■ドイツ車/メルセデスベンツ S450
直6を復活させるなど、内燃機関を絶対に諦めていないということを示しつつ、高度なマイルドハイブリッドシステムを組み合わせて燃費効率を追求する。
THSとは別のアプローチで、機械として精密高度なものを目指すドイツ的な車造りを感じる。
もちろん、ベースのSクラスも典型的なドイツ風味の高級車。先進安全装備てんこ盛りなところも「最善か無か」というスローガンを裏切らない。
■イタリア車/フェラーリ 488GTB
イタリアでしか造れない、イタリア的価値観の権化。自動車は基本的に実用品かもしれないが、それを芸術にまで高められるのはイタリア人だけ。そして、フェラーリこそその頂点に君臨する大輪の花だ。
フェラーリがイタリア経済に貢献している数字などは大したことないかもしれないが、この車が存在することによってどれだけのイタリア人が自国のクルマに誇りを抱くか。お金に代えられない、まさにイタリアの国宝だと思う。
■フランス車/シトロエン C4ピカソ
ハイドロニューマチックの“シトローエン”が手に入るなら絶対にそれを選ぶのだが、まさにグローバル化の波によって高コストなハイドロ・シトローエンは終焉を迎えてしまった。
そうなると、次点でもっともかつてのシトローエンらしい乗り味の車がC4ピカソという感じ。同じミニバンでもフランス人が解釈すると日本車とまったく違う答えが出るという意味でも興味深い。
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