■愛社精神満ちる!? 自動車業界の社歌
今回はBC編集部が任意で選出した自動車業界数社の社歌を拝見。歌詞はもちろん、歌詞のなかでポイントは? 曲調は? といくつか質問したが、「公開できるのはここまでです」という回答も多かった。では、紹介していきましょう(歌詞は一番のみ)。
マツダ
若い力を 一つにあつめ
きらめく瞳 マツダの瞳
明日をみつめ 創意に燃えて
咲かせよう 咲かせよう
世界に香る 花の数数
マツダ マツダ
永遠に栄えよ
われらのマツダ
作詞/吉山幸夫・作曲/團伊玖磨
「瞳」や「香る花」など、キラキラした印象の歌詞。毎朝の始業前に社内放送されるのに加え、年始の始業式などで歌うという。トピックは歌詞を全社員とその家族から募ったこと(マツダらしい和気あいあいさが漂う)。11案まで絞り、社内の関係委員会などで決定。仕上げにあたりプロに補作してもらうほど入念に作り上げた社歌なのだとのこと。
ホンダ
みどりの広野 あけそめて
あかつき告ぐる 鳥の声
希望を胸に 若人が
熱き血潮と 情熱に
世界に馳せん 意気高く
進む姿ぞ わがホンダ
作詞/水野鏡治・作曲/舟尾勇雄
1955年に誕生した社歌で、マツダ同様こちらも社内公募したという(応募総数130)。加えてホンダ応援歌『花のいのちの意気紅に』も教えてもらった。都市対抗野球でみんなで大合唱するそうで、点が入った時や勝利した瞬間、この歌で一体感が高まるそう(うんうん、わかりますよ〜)。
日産
朝雲白き 不二を見て
つどえるわれらに 望みあり
技術の粋の 寄るところ
汗と油の 勤労を
惜しみなくささげつくさん
人の世の幸の為
ああ、日産のこの誇り
国産の王者 日産
作詞/大木惇夫・作曲/飯田信夫
いいじゃないですか〜、この歌詞。「汗と油の勤労を」ですよ。「人の世の幸の為」ですよ。日本人の勤労と人情が表われている感じがする。
スバル
明けゆく空に 伝統の
伝統の翼の光り
育てつつ
世界を覇する 意気と熱
富士の高嶺と競い立つ
おお! われらの富士重工
富士重工 若さはここに
富士重工
作詞/増田祐三・作曲/團伊玖磨
1963年の誕生でマツダ社歌と同じ作曲者と判明。團さん、この頃の人気作曲家でしたもの。で、この社歌、都市対抗野球で合唱するそうで「あ〜けゆ〜く〜♪」と取材中、電話口の女性広報部員さんは熱唱。驚きました(笑)。
いすゞ自動車
さわやかに明けゆく朝よ
新生の光かざして
呼び交す 呼び交す
ひとみ明るく
限りなき未来に
未来に挑む
おお いすゞ おお いすゞ
世界のいすゞ
おお いすゞ おお いすゞ
世界のいすゞ
作詞/斉藤秀夫・作曲/團伊玖磨
團さん、3回目のご登場。やはり売れっ子。「ポイントとなる歌詞? 全部ですけどあえていうなら最後のフレーズです」と広報部の方。ちなみにCMで流れる「♪いすゞのトラックゥ〜♪」は社歌ではないです。でも電話の保留音でバッチリ流れています。
日野自動車
ああうるわしの空の下
緑の風もさわやかに
平和の旗を打ち立てて
産業の城ゆるぎなく
われらは生きる誇りもて
日野 日野 日野自動車
作詞/藤浦 洸・作曲/古関裕而
最後の社名が続くところが印象的。「産業の城」という言葉にも力強さが!「曲調ですか? 一般的な校歌のような感じです」とは広報部の方。
アイシン精機
描いている夢が
明日を変える
繋いでいる絆が
奇跡を起こす
情熱のエンジンで
挑み続けよう
I sing I sing
世界中を笑顔に変えたい
この空を見上げて
I sing for
Tomorrow
作詞/社員+Rico・作曲/牧野泰海
2年前に誕生したそうで、グローバルで歌えるように英語詞も。「I sing」がアイシンに聞こえるようにしたのがミソ。なんと、カラオケにも登録してあるそうで、あなたもぜひ歌ってみて。
曙ブレーキ工業
明けゆく空に希望あり
くれない燃えてみなぎる力
栄えある社業正しく清く
拓くに道はただ一つ
なべて人には誠つくして
大地を強く踏みしめん
曙ブレーキ ああ我等
作詞/社内公募・作曲/芥川也寸志
創業者の故郷、瀬戸内海の美しさから社名を「曙」とし、それが滲み出る「明けゆく空に」を詞で表現。壮大なメロディが流れてくるようです!
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社歌の詞から感じられる企業の姿勢。いい言葉が胸にしみました……。
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