■待望のターボ復活! で売上倍増のはずだった!?
だが、登場から3年目を迎えた2020年10月にマイナーチェンジを行い、グレード構成を一新している。2.5Lエンジン搭載車が整理され、ハイブリッド車のeボクサーが主役の座に就いた。粋にドレスアップした「X-ブレイク」もeボクサーに換装している。
そして新たに加わったのが、新型レヴォーグに搭載された新世代の1.8L水平対向4気筒DOHC直噴ターボを移植した「スポーツ」だ。
このマイナーチェンジを機に、運転支援システムのアイサイトはアップデートされている。待望のターボ搭載車を復活させ、アイサイトなどの安全装備も充実させた。だからフォレスターはさらに魅力を増し、好セールスが期待されたのである。
ちなみに新型コロナウイルスが蔓延し、生産や販売が制約された2020年の新車販売台数は、前年比74.3%の2万4056台だった。乗用車部門のランキングではマツダCX-5に続く31位だ。月平均で2000台くらい安定して売れている。
マイナーチェンジし、ターボ搭載車を加えた2021年1月のランキングは乗用車部門のランキングで26位、販売台数は2222台だ。前年同月比102.3%と、微増となった。
だが、2月はグッと落ちて33位になり、1837台の登録にとどまっている。新型コロナの影響が出てきた年との前年同月比75.0%だから、スバルとしても想定外の不振と感じているはずだ。
■販売不調の理由は同門の『レヴォーグ』にある?
その理由はいくつか考えられる。ターボ搭載の「スポーツ」を投入したが、先代のフォレスターの主役は2.0Lエンジン搭載車で、ターボ搭載のXTは少数派だった。
現行モデルの前期型には2.5Lエンジン搭載車があったが、この時も半数以上がマイルドハイブリッドのeボクサーを積む2.0Lのアドバンスが占めていたのである。
代を重ねるごとにターボ搭載車は存在感が薄れ、多くの人は環境性能でリードするeボクサーを選ぶようになったのだ。また、数少ないターボ派は、設計が新しく、ジャーナリストに走りと安全性の評判がいいと太鼓判を押されている新型レヴォーグに目を向けるようになった。
同門のスバル一族に手強いライバルが出現したのである。これもフォレスターの販売が伸び悩んでいる理由のひとつだろう。
また、頼みのeボクサーも、トヨタのハイブリッド勢やマツダのディーゼルターボ勢と比べると、経済性、燃費、そして存在感においても水をあけられている。乗り方によっては、燃費面でターボ搭載の「スポーツ」と大差ないなど、魅力は今一歩だ。
アイサイトやハンドリングのよさに魅力を感じながら、時代が求めるエコ性能においては中途半端だから、積極的にフォレスターを選ぼうとする人が少ないのである。魅力のひとつだった価格の割安感も薄れてしまった(ターボ車は328万9000円で、シリーズ中最も高価)。
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