米レクサスもその危険性をテストで実証! ながら運転の“4.6秒”があなたの人生を壊す

■日本の交通事故も6割がわき見や不注意で起こっている?

 日本で起こっている交通事故を分析してみると、すべての走行状態のうち4割は直進状態で起こっている。年間およそ43万件の交通事故のうち、ざっくり20万件はいわゆる「見通しのよい直線道路」で起こっているのである。つまり見通しのよい直線道路を走っていると、ここなら安全だという意識になり、運転以外の別のコトをついついしてしまいがちになり、結果として事故が起きやすくなっているのだ。

事故を起こせば「つい、うっかり」ではすまされない!! ドライバーは運転について重い責任が課せられていることを今一度思い出して、常にそれを意識して運転することを心がけよう(Kadmy@Adobe Stock)
事故を起こせば「つい、うっかり」ではすまされない!! ドライバーは運転について重い責任が課せられていることを今一度思い出して、常にそれを意識して運転することを心がけよう(Kadmy@Adobe Stock)

 実際、ほぼ直線が続く幹線道路を走っていると、時々トンでもないながら運転をしているドライバーに遭遇することもある。漫画雑誌をステアリングに立て掛け、両手でステアリングと漫画を一緒に握り、漫画を読みながら運転しているドライバーを見たのは1度や2度ではない。

 時々、外を見て修正舵を当てるのでクルマの動きがギクシャクしていたから、おかしいと思ってドライバーを見て見ると、そんな不届きな行為を行なっているのに気付いたのである。これは4.6秒どころではなく、合計すれば相当な時間、わき見運転をしていることになる。そのほかにもタブレットやスマホを見たり、耳に当てて通話しているドライバーも、未だに見かける。

 これらはパトカーや白バイが見つけたら、たちまち検挙されるだろう。しかも以前なら、警察官と遭遇しなければ取り締まりに遭わなかったかもしれないが、ドライブレコーダーが普及した今は、「危険なドライバー」としてSNSなどで動画をアップされれば、それが証拠となって交通違反で検挙される可能性も高くなった。

 ながら運転の罰則は令和元年の12月より3点、反則金は1万8000円へと引き上げられており、2回検挙されればそれだけで免許停止の行政処分を受けることになってしまう。だがそんな罰則よりも、わき見運転が危険であることを本当に理解すれば、停止中以外はスマホを利用しようとは思わないのではないだろうか。

 何しろ時速55マイル(およそ85km/h)のスピードで走行している時に4.6秒間に進む距離は約108m。これはサッカーコートの長さとほぼ同じなのだから、わき見をしながらこれだけの距離を走り切ってしまっていることにゾッとしないだろうか。

 日本の一般道に置き換えて考えても、60km/hで4.6秒走行する距離は約76m。これは新幹線3両分に相当するから、相当な距離だと言える。商店街であれば7軒から10軒くらいの店舗を通過してしまっているだろう。

 ちなみに、ながら運転で事故を起こした場合は、それだけで6点となって免停となるだけでなく、1年以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられることになる。ITARDA(交通事故総合分析センター)の分析によれば、平成30年度の交通事故43万件のうち、わき見運転が原因とされているのは6.1万件ほどだが、それ以外にも前方視界をキチンと見ていなかった漫然運転、動静不注意、安全不確認を合わせると26万件を超える。運転以外のことをしていたり、キチンと運転していないドライバーはこれだけ多い、ということになるのだ。

 事故を起こす前に危険性に気付くためにも、ながら運転やシートベルト非着用、チャイルドシート非装着の取り締まりは、もっと厳しく行なってもいいのではないだろうか。自分は直接事故のきっかけを作らなかったとしても、わき見運転をしていなければ瞬時に気付いて事故を避けられた、というケースは決して少なくないハズだ。

 Apple CarPlayやAndroidAutoなどの車載アプリは、走行中にも音声操作でメールを読み上げてくれるし、電話をかけたりメッセージを送ることもできる。こうした便利な機能は、快適性だけでなく安全性も高めてくれるものだから、走行中にもスマホに届くメッセージが気になるドライバーは利用するべきだ。

 そうでなければ走行中にスマホを見たり、カーナビを凝視するのは止めたほうがいい。完全自動運転が実現するまでは、ドライバーは運転について重い責任が課せられていることを今一度思い出して、常にそれを意識して運転することを心がけよう。

【画像ギャラリー】レクサス公開の 4.6秒の「ながら運転」体験動画を写真でチェック!!

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