【フィット、アクセラ、セレナ】 現行車が歴代で最も良いヒット車たち


 「歴代モデルの中で一番良かったのはどれか?」と尋ねられると、現行車が入ることは少ない。機能は新しい現行型が最も優れているが、各世代でライバル車を含めた相対評価をすると一番になれない。初代が最も独創的だったり、3代目くらいにマンネリを打破すべく、渾身のフルモデルチェンジを行うことが多いからだ。

また、近年の車両開発では、特に低価格の5ナンバー車はコスト低減を重視することが多く、上級車種はボディを拡大させる車種が増えた。以上のような理由から、一番良かったのは過去のモデルになることが多いが、本当に「現行型が一番!」と誇れる車種はないのか? そこで、新型の登場が比較的近い現行車のなかから注目される3車を選び出した。

文:渡辺陽一郎/写真:編集部


ライバル優位際立つホンダ フィット

現行型は3代目となるフィット。【フルモデルチェンジ時期:2019年予定】
現行型は3代目となるフィットは2017年に大規模改良を敢行。【フルモデルチェンジ時期:2019年予定】

2001年発売の初代フィットは、わずか3グレードの設定で一躍人気車となった。今日のN-BOXのような印象だ。

2002年には25万790台を登録して、軽自動車まで含めた国内の総合1位になっている。2017年に総合1位となったN-BOXの21万8478台を上回る。

そうなると評価でも初代が1位になりそうだが、この時にライバル車をリードしたのは、ボディが小さい割に後席を含めて広く確保された居住空間、広い荷室と豊富なシートアレンジ、低燃費と割安な価格であった。

この後、2代目は初代の路線を踏襲したが、3代目の現行型は機能を大幅に向上させた。ハイブリッドを進化させ、運転の楽しさも味わえるようになった。安全装備では先進的な緊急自動ブレーキの「ホンダセンシング」を追加装着して、車間距離を自動調節できるクルーズコントロールも備わる。

居住空間は従来型以上に広く、後席はミドルサイズハッチバック並みだ。全高を立体駐車場が使える高さに抑えながら、荷室は大容量で、シートアレンジの使い勝手も改善された。今日のコンパクトカーが苦手とする内装の質も高い。

このように現行フィットは、初代と2代目の特徴を備えながら、機能を幅広く格段に向上させている。ライバル車に対する優位性も、従来以上に強まった。

歴代随一の個性持つマツダ アクセラ

こちらも現行型は3代目となるアクセラ。次期型は革新的な新エンジン「SKYACTIV-X」の搭載が確実視されている【フルモデルチェンジ時期:2019年予定】
こちらも現行型は3代目となるアクセラ。次期型は革新的な新エンジン「SKYACTIV-X」の搭載が確実視されている【フルモデルチェンジ時期:2019年予定】

アクセラは現行型で3代目だが、基本的なコンセプトは、2003年発売の初代から変わっていない。フォルクスワーゲン ゴルフなどをライバルに想定した海外向けのミドルサイズカーだ。

初代モデルのプラットフォームは、フォード フォーカス、当時フォードグループに属したボルボ S40、V50と共通化され、2代目もこれを踏襲した。

ところが3代目の現行型は、今のマツダ車に共通するスカイアクティブボディ・シャシーを使って開発され、操舵感、走行安定性、乗り心地を大幅に向上させた。

エンジンには、クリーンディーゼルターボのSKYACTIV-Dが加わり、ガソリンも刷新されている。

初代と2代目は、アクセラとしての個性がいまひとつ弱かったが、3代目ではディーゼルの搭載を筆頭に明確になった。外観も今のマツダ車に共通する「魂動デザイン」で仕上げている。

内装ではハンドル/シート/ペダルの配置を見直すことで、最適な運転姿勢が得られる。アクセラを選ぶ価値が、今まで以上に高められた。

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