バスやタクシーはいつどう変わる? 公共交通機関と自動運転【自律自動運転の未来 第11回】


■自動運転バスの課題は

 ティアフォーやヴァレオの実証実験車両と同様に、このコンチネンタルの小型バスも横断歩道に歩行者がいる場合には、歩行者の通行を最優先にする制御が組み込まれています。さらにこの小型バスでは、停止後すぐにEPB(電子制御パーキングブレーキ)を作動させるなど、徹底した安全策が採られていました。

 しかし筆者には、この横断歩道前の停止制御だけでは、実際の運用に際して不十分ではないかと思えました。なぜなら、歩行者とシステム(この場合は小型バス)とのコミュニケーションが取りづらいからです。

 現状、小型バスにはドライバーと、ドライバーを補佐する保安要員の2名が乗務員として乗込んでいますが、後述するように保安要員は削減の方向で法改正が進んでいます。また、将来的にはドライバーも不要とする議論や技術開発が行われ、その場合、緊急時の運転操作は遠隔操作が前提になるといいます。

 よって、実際にレベル4以上の自動運転車両を公道走行させる際には、現状の丁寧な運転操作に加え、歩行者との確実なコミュニケーション手法の確立が重要課題です。

 例えばメルセデス・ベンツの「F015 Luxury in Motion」などが示すように、音声で「お先にどうぞ!」と発話したり、レーザー光で歩行者に先行を促したりするなど、人とシステムとのアイコンタクト的なコミュニケーション手法が導入されると、運用面でのバリアフリー化が高まるのではないでしょうか。同様に、狭い道での離合や対向車からの譲り合い運転を受けた際の合図にもなるはずです。

■トヨタが制御インターフェースを広く開示

 2021年3月、国内で初めて福井県永平寺町における小型バスを用いた「遠隔型自動運転システムによる自動運転車(レベル3)」が認可されました。

 さらに同年4月には、茨城県境町で運用されている自動運転バスにおいて、これまでの運転手1名+保安要員1名の合計2名での運用から保安要員の規約がなくなり、運転手1名での運用が認められいます。

 このように公共交通機関への自動運転技術の導入は、前回紹介した物流業と同じく、それぞれが抱えるさまざまな課題を克服する目的で、開発や実証実験が活発に行われています。

 MaaS(Mobility as a Service/サービスとしての移動体)の分野でも自動運転技術の実用化が前提です。トヨタは「e-Palette」をMaaSの主役として開発、Woven City(ウーブン・シティ)などをはじめ、各地での実証実験を行っています。

トヨタの構想する公共交通の中核をなすのが「e-Palette」

 e-Paletteは、移動や物流、そして物販など多目的に活用できるMaaS専用の電気自動車です。特徴のひとつに、トヨタ自身が自動走行を司る制御システムのインターフェース(中枢のソフトウェア)を広く開示したことにあります。

 これにより、他のシステム会社が開発したソフトウェアを組み込むことが可能で、小型バス、配送用バン、移動物販車など目的の違った幅広い分野での活躍が期待されています。

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