FXの終焉でカローラベースのハッチバックは消滅
初代カローラFXは短命に終わった。本家のカローラがモデルチェンジしたためだ。1987年5月、2ボックス版のカローラFXも一緒にデザインを一新し、2代目になった。
が、初代のような尖ったデザインではない。リアピラーは太く、フォルムもふくよかになった。このデザインは欧州の2ボックス市場を見据えたものだ。走りの実力もレベルアップしている。
リーダーは、4A-GE型スポーツツインカムを積む3ドアのFX-GTだ。6ウェイスポーツシートを採用し、タイヤも185/60 R14サイズのラジアルを履いていた。
3代目はカローラのセダン系より11カ月遅く、1992年春にモデルチェンジを敢行。狙いを若者だけに絞り、日本向けは3ドアハッチバックだけとした。
「GT」が積むのは、5バルブ化し、可変バルブタイミング機構と各気筒独立スロットルを採用した4A-GE型直列4気筒DOHCだ。
4輪ストラットのサスペンションには、レビンと同じスーパーストラットも用意している。スポーティ度は高かったが、人気回復はならず、8代目カローラが登場した1995年に市場から消えていった。
ランクスで復活したカローラの名、オーリスで再び消滅
6年のブランクの後の2001年1月、カローラにハッチバックが復活する。「先いくって、ドキドキ。」をキャッチフレーズにしたカローラランクスだ。
欧州市場を狙ったFFの2ボックスで、日本は5ドアモデルだけだが、海外向けには3ドアもある。ネッツ店向けの兄弟車、アレックスも登場した。
エンジンは1.5Lのハイメカツインカムと1.8Lのスポーツツインカムだ。1.8Lの2ZZ-GE型直列4気筒DOHCエンジン搭載車には6速MTもある。
が、カローラが10代目になった後の2006年10月、アレックスの後継ハッチバックがベールを脱いだ。それが世界戦略車の「オーリス」である。これを機にランクスは第一線から退いた。そのためカローラ店から一時期、コンパクト系のハッチバックモデルが消滅することになった。
オーリスはカローラハッチバックの事実上の後継モデル。日本仕様は1.5Lと1.8Lの直列4気筒DOHCエンジンを積んでいる。
FF車が主役だが、アクティブトルクコントロール式の4WDも用意された。2009年秋のマイナーチェンジを機に17インチタイヤや専用サスペンション、6速MTなどを採用した「RS」を仲間に加えている。
第2世代のオーリスにバトンを託したのは2012年8月だ。トヨタの新しいデザイン「キーンルック」で登場したのは記憶に新しいところである。欧州を狙ったモデルだから、ハンドリングも冴えていた。
このオーリス以降、痛快な走りのハッチバックは消えていたが、2018年に再び感動のハッチバックがカローラの名を冠して復活する。
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