実は編集担当、ジムニーがとってもほしくなり中古車専門店に通っていた時期がある。販売店は1年間の保証や点検整備後の納車はあるけれど、価格は高め。これではなかなか手が出ない。
スマホをじっと見つめる。そうだ、ネットオークションや個人売買でクルマを探してみよう!! ということでお目当てのクルマを探してみた。すると市場価格の1/5程度で見つかる見つかる。でも実車を見ないでクルマを買うのはちょいと怖いのも事実。
というかそもそも顔も合わせないで中古車を買うなんて言語道断!! てな人も多いはず。今回は中古車購入に情熱を捧げる自動車ライターにチェックポイントを聞きつつ、「新たな中古車売買の形」に迫ります。
文/写真:ベストカーWeb編集部
アドバイス提供:永田恵一
■ノーリスク、ハイリターンはまずない!!
編集担当、とにかく中古車大好き人間だ。そんな私、急に野山を駆け巡りたくなりジムニーを買おうと決意した。
あれこれ動画を見たり、専門誌を見たりしながら悶々とする日々。新型も出るけれど「やっぱりリーフサスのJA11が最強だ」というジムニストの皆さんのご意見に感化され、それならばと探したJA11ジムニー。
「5MTで、車検があって、錆はほどほど、走行に支障なし」が条件。多くは望むまい。
ネットで物件を検索すると専門店などのページも出てくるものの、25年前の軽自動車とは思えないプライスタグが付いている。さすが人気車。整備も万全、エンジンも新品、全塗装済みという超絶パーフェクトな物件もあったがそちらは軽く100万円オーバー。魅力的だが手も足も出ない。
そこでふと見つけたのが某個人売買サイトのこんな紹介文がついた物件。
「大きな穴などの致命的な錆はありません。走行距離は14万kmですが、エンジンオーバーホール後2万kmしか走っていません。ただトランスミッションは2速が渋く、変速にコツが要ります。車検は構造変更をとってありますが残り3カ月です」。
肝心なお値段はたったの9万円。同じような条件のクルマを中古車屋さんで探すと50万円近い。だから9万円って安すぎる。現金全額前払い、東北地方のオーナーの自宅で手渡しが条件。
ここまで来たら「清水の舞台から飛び降りろ」、となりがちだが慌てないほうがよい。なんせ相手は会ったこともないし、顔も、クルマも見たことがない。ここで担当が実践したネット購入テクニックをご紹介しよう。
■最終的には「人と人のつながり」を実感すべし
まずメッセージ交換などで気になることはすべて聞くべし!! 今回、担当が聞いたのは以下の点。
・2速の不具合の詳細
・エンジンオーバーホールの記録簿
・錆の箇所の写真
すると先方は翌日には丁寧に返信をくれた。このレスポンスも非常に大事な部分。なんだかんだ1週間連絡なし、なんて場合は思い切って購入を見送ったほうが吉。購入側と販売側は対等であるべきだが、買って損をするのは避けたい。
気になっていたジムニーに関しては状況をまとめて2速は使い物にならない(シンクロ不良)と診断。またエンジンオーバーホールは有名業者の保証書と領収書を確認したので正しい情報と判断。あとは写真による診断になる。
もうここまできたら買うことに内心は決定している。念には念を、ということでAE86を2万円で買ったという武勇伝もある、中古車大好きな自動車ライター永田恵一氏にアドバイスを聞いてみた。
「まずは高い買い物をしないこと。自分の範囲で諦めのつく値段で抑えるべしです。人にもよりますが頑張っても30万円とか50万円が上限かな、とおもいます。あとは傷などの細かいことを気にしないことですね」。
たしかに担当もこのジムニーが60万円というのであればちょっと無理かも。9万円という絶妙にダメ元でいけそうな、価格がナイスと思います。
「コミュニケーションも大事です。特にそのクルマの悪い部分をハッキリ話してくれるかですね。完璧なコンディションのクルマが安価なわけはないですからネガティブな部分も教えてくれたほうがいいです」。
今回の個体でいえばトランスミッションの不良ですね。また購入側の勉強も必要と永田氏はいう。
「クルマによっては持病ともいえる症状がありますよね。特定の箇所が錆びるとか、ミッションが弱いとか。それを購入側もしっかり勉強して、相手に聞いてみることでこちらのペースに持っていけます」。
今回の永田氏のアドバイスをまとめると、
・諦めのつく価格で購入すべし(頑張っても30万円~50万円が上限)
・コミュニケーションでいいことばかり言う相手はちょっと注意すべし
・購入側もそのクルマのウィークポイントを勉強すべし
このアドバイスを受けて担当はそのジムニーをポチっとしたわけです。
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