■クールなマット塗装ながら選ぶ際には覚悟も必要
このようにトレンドとなっているマット塗装ながら選ぶには覚悟も必要だ。というのもマット塗装は、オプション価格に加え、手入れなどが非常に大変だからだ。
具体的には、マット塗装はザラザラとしているのでその凹凸にいろいろなものが入り込みやすいこともあり、洗車は小まめに優しい手洗い(洗車機はもちろん、コイン洗車場などの高圧洗浄機もNG)が必要。
また、普通のカーシャンプーがNGなこともある(マット塗装専用のものなら大丈夫だろう)。加えて、コーティングやワックスもNGであり、鳥のフンや白系のボディ色だと水アカも塗装に入り込みやすい。そのため特に前者は素早い除去が必要で、後者は付かないよう小まめに洗車したい。
さらには、雨粒に太陽光が当たってできる雨染みが取れにくい、補修の際の再塗装が非常に大変といったネックもある。手入れに関してはクルマによって異なるところもあるので、説明書を確認して欲しい。
また、筆者の愛車でもあるGRヤリスは、RZハイパフォーマンスのファーストエディションで、細部がマット塗装となっている。ボディに関しては手洗い洗車なので不便はないが、マット塗装のホイールへのブレーキダストの入り込みは、GRヤリスの4WD+ターボはブレーキダストが非常に多いこともあり、強烈だ。
そのため筆者は信頼できるところでボディコーティングをした際にホイールもコーティングしてもらい、水洗いすれば汚れが容易に落ちるようにしている。
つまり、マット塗装のクルマは、地面が舗装された車庫保管の必要性が強く、手入れ&補修が大変=お金が掛かるということだ。そのため、ボディ全体がマット塗装のモデルは基本的に高額車にしかなく、そういったお金を出せる人向けというのもよくわかる。
それだけに新車・中古車ともにマット塗装を選ぶ際には熟考が必要だ。
また、今あるクルマをマット塗装にしたいなら、全塗装だけでなく相応の費用は掛かるが、イザとなったら剥がせるラッピングという手段も考えた方がいいだろう。
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