雪山や砂漠など、不整地など、通常のタイヤ車輪では走破することが難しい場所での移動を可能にしてくれるクローラー(無限軌道)。
4輪に装着したクローラーがもつ圧倒的なビジュアルの強さは、メカ好きとしては、心くすぐられるものだ。実は昨今、RCカーでこのクローラータイプのマシンがブームの兆しを見せている。
タミヤから2021年7月に発売された新作の10分の1スケールRCカー「ランドフリーダー クワッドトラック」だ。その最大の特徴は、4輪に装着した樹脂製のクローラーユニット。雪道や砂地や草むらなど、これまで苦労していた悪路の走破性が、飛躍的に上がる。
今回は、タミヤの超新作、「ランドフリーダー クワッドトラック」について、ご紹介しよう。
文/吉川賢一、写真/タミヤ
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■RCカーファン待望のマシン
「ランドフリーダー クワッドトラック」は、前後のタイヤをデルタ(三角)形状のトラックユニットに車軸ごと付け替えた、ピックアップトラックのRCカーだ。
この手のクローラーを装着したRCカーは、戦車やブルドーザーなどの商品では存在していたのだが、ゴムベルト式の場合だと回転抵抗が大きく、スピードが出しにくいなどの理由で、オフロードトラックにクローラーを付けたマシンは、これまであまり注目されていなかった。
こうしたマシンは、昔からRCカーファンの間では要望があったのだが、パーツ点数の多さ(コスト)や、構造の複雑さなど、踏み切れなかった理由があったと思われる。
今回、「ランドフリーダー クワッドトラック」が登場した背景には、設計技術の向上に加えて、タミヤに新領域を開拓する余力があった、ということなのだと考えられる。
ちなみに、「キャタピラー」と呼ばれることが多いが、キャタピラーはアメリカのキャタピラー社の登録商標であり、一般的には、「クローラー」や「無限軌道」、「履帯(りたい)」と呼ぶのが正しいそうだ。
■クローラーの命!! 2種類のコマを自由に組み合わせる
クローラーを取り付けるシャーシは、シャフトドライブ4WDの「TT-02FTシャーシ」だ。耐久性が高く、組み立ても簡単なTT-02シャーシは、ツーリングカーやバギーとしても使われる、汎用性の高い優れたシャーシだ。
組み合わされるトラックユニットは、金属ピンを使用した連結組み立て式の樹脂製を採用しており、ドライブシャフトに連結してパワーを伝えるスプロケットホイールと、8つのローラーで構成されている。
タイヤに比べて、接地面積が広いことで、優れた登坂性能はもちろんのこと、雪原や砂浜、泥道などの悪路でもスタックしにくく、安定したグリップ力を確保して、高い走破性を実現するそうだ。
また、コマ(履板)は、接地部分に軟質樹脂をインサート成形したものを採用している。
フラット形状の「スタンダードタイプ」と、突起のある「グローサータイプ」の2種類が用意されており、そのコマを金属ピンで1本一本繋いで、クローラーの帯となっている。グローサーは、1コマ飛ばしや、2コマ飛ばしなど、微妙にセッティングを変えることで、走行路面に合わせた選択をすることも可能。
タミヤのYouTubeチャンネルでは、このランドフリーダー クワッドトラックが、雪道や砂地を走りまくるシーンを撮影した動画が上がっているが、よく見ると、雪道と砂地でコマのセッティングが違っている。グローサーの数を増やすか、減らすか、セッティングを変えて楽しむことができそうだ。
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