「アウディよりBMW」に根拠はあるか
「駆け抜ける歓び重視!」のBMWに対し、「先進性こそが命!」のアウディ。あるいは「基本的にはおしゃれだが、少し野暮ったい部分もある(だからこそ本物志向だと言える)BMW」に対し、「都会っぽいおしゃれ感こそすべて!」というイメージがあるアウディ。
それゆえ硬派なカーマニアはBMWを選び、「アウディを選ぶ人って、結局はカッコつけたいだけの、わかってない人なんでしょ?」とか内心思っている。
冒頭のような図式は確かにあるだろう。またアウディは凝った先進的メカニズムをいち早く採用したがるがゆえに、多少壊れやすく、そして壊れた際の修理代がバカ高い(要するに整備性がよろしくない)という部分を好まない輸入車マニアもいる。
これらはすべて事実かもしれないが、同時に「偏見に過ぎない」とも言える。
過去のBMWとアウディでは確かにそういう「違い」があった。だが近年は、例えば現行BMW 3シリーズとアウディ A4では「違うと言えば違うが、同じようなモノと言えば同じ」という具合に、その個性と実質はかなり接近しているのだ。
アウディの整備性がイマイチな場合が多いのは今もそうだが、最近の人はわざわざ修理などぜず、3年も乗れば手放す場合が大半なので、そこも大した問題にはならないのである。
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車には、誰もが扱いやすくバランスがとれたモノがあれば、より車としての本質を追求した個性が強いモノもある。
そこには確かに、歴然とした「違い」が存在しているケースもある。その違いこそが、クルマ好きを楽しませ、より多様で奥行きのある自動車文化を作り出す役割をも担っている。
一方で我々クルマ好きは、コアな野球ファンが野球を楽しむがごとく、クルマ好きの車になれない車に対する「偏見」も含めて、クルマという文化を楽しんでいるのかもしれない。
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