スバルの象徴 水平対向エンジンは生き残れるのか!?

水平対向エンジンは「高性能型と燃費志向を分けるべき」

2L水平対向4気筒ターボエンジン搭載の718ボクスター。最高出力は300ps、最大トルクは38.7kgmを発揮
2L水平対向4気筒ターボエンジン搭載のポルシェ 718ボクスター。最高出力は300ps、最大トルクは38.7kgmを発揮

というわけで、今こそ原点に立ち返ってもう一度水平対向エンジンの魅力を再定義する時ではないだろうか? という話題になるのだが、技術的な実現性も踏まえ、以下のような提案をしてみたい。

まず必要なのは、高性能エンジンと燃費志向エンジンを切り分けること。スバルの生産規模では、エンジンは基本一種類しか作れないのに「パフォーマンスも! 燃費も!」と欲張るから中途半端になる。

とはいっても、STIに象徴される高性能4WDスポーツは、スバルのブランドにとって不可欠。古いEJに代わって、ここを際立たせるエンジンをどうするか……。

無茶を承知で言うのだが、ここはスポーツエンジンの自力開発を諦めてOEM調達としたらどうだろう?

幸い、同じ水平対向仲間のポルシェが、718シリーズ用に2Lと2.5Lの水平対向4気筒ターボを生産している。

いずれにせよ高性能で高価なSTIに大した数は望めないのだから、STI系のエンジンはポルシェのOEMでゆく。とうぜん、ミッションはダイレクト感のあるDCTとの組み合わせ。こちらもポルシェと同じくZF製を持ってくる。

もちろん、ポルシェがOEMを許すかどうかはわからないし、可能だったとしても価格がボクスターなみに高くなるのは必至だが、STI限定モデルの例をみれば心配無用。700万円オーバーのS208が限定450台を即完売するくらい、マニアックなスバルファンのパワーは強力だ。

“小型でシンプル”原点回帰の小排気量ターボに可能性

スバル1000に搭載されていた977cc、水平対向4気筒OHVエンジン(左)と現在WRX S4などに搭載される1998cc、水平対向4気筒DOHCターボエンジン(右)。排気量の差はあれど、そのサイズ差は
スバル1000に搭載されていた977cc、水平対向4気筒OHVエンジン(左)と現在WRX S4などに搭載される1998cc、水平対向4気筒DOHCターボエンジン(右)。排気量の差はあれど、そのサイズ差は明確だ

いっぽう、本命の燃費志向エンジンはゼロベースで徹底的に燃費向上技術にトライする。

例えば、どうせダウンサイズターボ化するなら6000回転も回れば十分。だったらかさばるDOHCなんかやめて、動弁系はOHVでもいい。

カム一本のOHVでは可変バルタイが使えないというのなら、フィアットが使っている油圧バルブ制御の“マルチエア”など、いまなら便利な補機がいくらでも使える。気筒あたり4バルブは必須としても、カムを4本も持つ必要はぜんぜんないと思う。

ついでに言えば、エンジン下でとぐろを巻く排気管が水平対向エンジンがかさばる元凶なんだから、いっそこれを上方排気とする。

最近の欧州プレミアムのV8ターボはすべてVバンク間にターボを配置する“ホットインサイド”なレイアウト。あれに比べたら水平対向エンジンの上にターボを配置することくらい朝飯前だ。

初期のEA系OHVのコンパクトさを見ると、現在のスバル水平対抗はあまりにもガタイが大きくなりすぎている。もう一度パッケージングに奉仕するエンジンレイアウトを考えるべきだと思う。

このような形で標準エンジンは1.4〜2Lの直噴ダウンサイズターボに統一。これで燃費志向の150ps級からそこそこパワフルな250ps級までをカバー。

さらに、48Vマイルドハイブリッドなどの電動化メカと組み合わせて、来るべきEV時代の橋渡しとする。

燃費のベンチマークはVWのTSI。同排気量のゴルフと同等の燃費性能が実現できれば、スバル水平対向の評価は大いに高まると思うのだがいかがだろう。

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

最新号

あのトヨタスターレットが再び公道に舞い降りる!? 日産×ホンダ協業分析など新社会人も楽しめるゾ「ベストカー5月10日号」

あのトヨタスターレットが再び公道に舞い降りる!? 日産×ホンダ協業分析など新社会人も楽しめるゾ「ベストカー5月10日号」

トヨタの韋駄天が覚醒する! 6代目NEWスターレットのSCOOP情報をはじめ、BC的らしく高級車を大解剖。さらに日産・ホンダの協業分析、そして日向坂46の富田鈴花さんがベストカーに登場! 新社会人もベテランビジネスマンまで、誰もが楽しめるベストカー5月10日号、好評発売中!