■苦戦の始まる4代目
5年間に43万台もの販売台数を記録したオデッセイは、1999年12月に2代目にバトンを託している。2代目は日本専用モデルと割り切り、キープコンセプトで登場した。エクステリアはひと目でオデッセイとわかる明快なデザインだ。
チャームポイントは、ミニバンとしての機能を充実させたことである。衝突安全性能も大きく向上させた。また、スポーティなアブソルートを加え、純正ドレスアップパーツのモデューロも立ち上げている。
上のポジションにラグレイトが投入されたが、2代目オデッセイは月に5000台を超える安定した販売を記録した。が、初代と比べると平凡と感じたのか、2003年秋にベールを脱いだ3代目は若返りを図っている。
背の高さを立体駐車場に入る高さに抑え、アブソルートはパワーアップ版の2.4L直列4気筒DOHC i-VTECエンジンを搭載した。3代目オデッセイは走りのいいミニバンとして若いファミリーをも取り込み、高い評価を得ている。販売は2代目と大差なかったが、強い印象を残している。
オデッセイが伸び悩んだのは、背が高く、フロントマスクがいかめしいフルサイズのミニバンが主役になり、持てはやされたからだ。だが、ホンダは2008年秋に4代目をキープコンセプトで送り出した。
駐車場などの制約が多い都市部のファンを狙ったが、この目論見は不発に終わっている。都市部ではミニバン離れが進んでいたし、郊外に住む人たちは背が高く、押しの強いミニバンを好んだ。デザインに新しさもなかったので、オデッセイの販売は低空飛行をたどった。
■背を高くした5代目
起死回生を狙い、5代目はプラットフォームを一新するとともにボディサイズを拡大している。背を高くし、後席用ドアもライバルと同じように両側スライドドアだ。
また、要望の多かった8人乗り仕様も設定している。走りの実力を磨くとともに衝突軽減ブレーキやスマートパーキングアシストシステムなどの先進装備も数多く採用した。また、待望のハイブリッド車も設定している。
2020年11月には二度目のマイナーチェンジを行い、フロントマスクを大幅に変えた。機能装備や安全装備も充実させている。
が、それから半年ほどで生産終了が伝えられた。途中から中途半端な立ち位置になり、個性も薄れたのがライバルに敗れた理由のひとつだ。誕生してから27年でオデッセイの歴史は幕を閉じた。
オデッセイで育ったファミリーが多いだけに生産打ち切りは残念としか言いようがない。初代オデッセイのような、ホンダらしい大胆な発想のミニバンを再び出して欲しいと思うのは筆者だけではないはずだ。
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