偉大なシティの後継車! ホンダ ロゴが目指したもの【偉大な生産終了車】

■シティの反省に立ち実用性に注力するなか ロゴが見失ったもの

 型破りだった初代シティの開発チーム出身者が作った、あえて没個性的で、実用小型車としての最高性能を街なかで発揮することを狙ったホンダ ロゴが、今ひとつ不発なまま終わってしまった理由。

 それは、「コンセプトがやや高尚すぎた」ということに尽きるかと思います。

 アクセルペダルを踏み込まずともグッとトルクが出る「明確な低中速トルク重視型」であったD13B型SOHCエンジンの理念は、現代でもそのまま通用するものです。

 しかし低中速重視型であることの反作用として、「踏んでも回らないし、気持ちよくもないエンジン」でもありました。

 まずはこのあたりが、「アクセルペダルは踏めば踏むほど速く走れる」と認識していた当時にユーザーからは、あまり理解されませんでした。

 またシンプルにまとめた内装は、ミニマルでなかなか洒落ていると思うのですが、それを「そっけない」「安っぽい」と感じる人も多かったようです。

5ドアの内装。1996年10月の登場後、1997年9月、1998年12月、2000年4月とマイナーチェンジを繰り返したが調子は上向かず、
5ドアの内装。1996年10月の登場後、1997年9月、1998年12月、2000年4月とマイナーチェンジを繰り返したが調子は上向かず、

 さらには前述した「スタビライザーをあえて省略し、街なかでの乗り心地の良さと操安性を追求した」というコンセプトも、一部のジャーナリストからけっこうな批判を受けたものです。

 そのジャーナリストの声にどれだけ影響力があったかはわかりませんが、実際、高速域でのロゴのコーナリングに不満や不安を覚えたユーザーもいたはずです。

 もっと「わかりやすいデザイン(スポーティだったりゴージャスだったり)」と「わかりやすい性能(速いとか広いとか)」をロゴが追っていたなら、結果は違っていたはずです。

 しかしロゴはあえて「シンプル」「中庸」「街なか中心」で勝負に出ましや。そして勝負に出た結果、残念ながら“討ち死に”したのです。

 その挑戦は、傍目からは“挑戦”には見えづらい地味なものでした。でも今にしてよく考えてみれば、「実はいかにもホンダらしい果敢な挑戦だった」と言えるような気がしてなりません。

■ホンダ ロゴ 主要諸元
・全長×全幅×全高:3750mm×1645mm×1490mm
・ホイールベース:2360mm
・車重:820kg
・エンジン:直列4気筒SOHC、1343cc
・最高出力:66ps/5000rpm
・最大トルク:11.3kgm/2500rpm
・燃費:17.2km/L(10・15モード)
・価格:110万8000円(1996年式 L 3速AT)

【画像ギャラリー】5年の間に3度のマイナーチェンジも報われず…公式画像でホンダ ロゴの変遷をチェック!!!

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