パンクする前にタイヤを交換しよう!! 摩耗や経年変化などタイヤの危険信号を知る!!

■ゴムは生き物!? 劣化しないうちに早めの交換を

スリップサインがはっきりと分かる。ここまで摩耗する前に取り替えよう(kazuya asizawa@AdobeStock)
スリップサインがはっきりと分かる。ここまで摩耗する前に取り替えよう(kazuya asizawa@AdobeStock)

 ではタイヤの交換時期はどうでしょう。

 タイヤの摩耗の具合と使用年数どちらか速く当てはまったほうで交換のタイミングを決めてください。

 摩耗は、法律ではスリップサインが出たら交換しないと違反(整備不良)になります。ただこれは最低限の交換時期です。タイヤは5分山を過ぎ4分山あたりから急激に排水性が悪くなっていき、路面にたまった水にタイヤが乗って浮いてしまう現象であるハイドロプレーニングが起きやすくなります。

 ですから、5分山を目安にタイヤ交換の心の準備をしておいて、4~3分山くらいになったら交換することをお勧めします。

 それからスタッドレスタイヤにはスリップサインの他に、スタッドレスタイヤとして使えなくなることを示す目安として、縦溝の50%の深さのところにスノープラットフォーム(突起)がつけられています。

 スタッドレスタイヤの摩耗については地方自治体によって異なるので、一概に50%摩耗で使用不可とは言えないのですが、NGとしている自治体もあるのでタイヤ交換の目安にするのがいいと思います。

 使用年数についてはどうでしょう。溝がたくさん残っていると、多少タイヤが古くなっても交換するのがもったいない気がします。けれどもタイヤは「なまもの」といわれており、時間の経過とともに性能が低下していきます。

 特にスタッドレスタイヤは性能がシビアに運転の影響するので、劣化を抑える技術を搭載しものが多くなってきました。

 ただサマータイヤもスタッドレスタイヤも、一般論としては4年くらいがタイヤ交換のタイミングになります。

 タイヤのゴムは古くなると、柔軟性を保つためにゴムに練り込まれていたオイルが抜けてしまったり、再架橋といってゴム分子同士の結び付きが強くなってゴムの柔軟性が失われてしまい、グリップ性能が低下します。

 それでもドライ路面では案外普通に走れてしまいます。だからついつい「まだ走れるからいいか」と思いがちなのですが、雨になるとグリップ性能の低下が露骨に現れます。

 普通に走っていてもお尻のあたりがムズムズするような不安感があるし、足元をすくわれたように唐突に滑ります。制動距離も(新しいタイヤと比べ)伸びてしまいます。

 またタイヤはあまり走っていないタイヤよりも頻繁に走らせたタイヤのほうが劣化か少ないんです。使っていないから大丈夫という理屈が成り立たないことも覚えておいてほしいポイントです。

■タイヤ保管の三ヶ条

ゴムは保管しておくだけでも少しずつ劣化する。細かなひび割れや表面の乾燥は劣化のサインだ(YK-image@AdobeStock)
ゴムは保管しておくだけでも少しずつ劣化する。細かなひび割れや表面の乾燥は劣化のサインだ(YK-image@AdobeStock)

 タイヤの劣化の目安は、タイヤの溝やブロックの付け根にできたヒビです。細かなヒビが見られるようになってきたら、オイルが抜けゴムが硬くなっている兆候です。深い溝ができてきたり、ゴム自体がカサカサになってきたら要交換です。

 ゴムの柔軟性がなくなっているので、キャッツアイなど突起を踏んだだけでタイヤがパンクしてしまうこともあります。

 また4年はあくまでも目安で、保管の仕方によって寿命を短くしてしまうこともあります。特に長期保管するスタッドレスタイヤは、日の当たるベランダに積んで風雨にさらしていれば、たった1年でも性能を落としてしまいます。

 タイヤメーカーに聞くと、

1)直接日光に当たらないようにすること。
2)直接風雨にさらされないようカバーをすること。
3)でも袋に入れて密閉はしないこと。

 が大切なのだそうです。

 タイヤの性能は摩耗や経年劣化によって徐々に落ちていくので、なかなか低下の具合を実感しにくいので、ある程度目で見たり触ったりして客観的な判断を入れることが大切です。極端に神経質になる必要もありません。

 タイヤのことをちょっとだけ意識の隅に置いておくだけで、いち早くタイヤからの危険信号を受け取ることができ、安全なカーライフが送れると思います。

【画像ギャラリー】彼らは酷使されながら人知れずSOSを出しているのです……危険を早めに察知してタイヤをいたわろう

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