各メーカー自動運転技術ランキングを独断で選んでみた 2021年夏版

3位 SUBARU「アイサイトX」

 2020年末に発売された「2代目レヴォーグ」で採用された、アイサイトX。従来のアイサイトから、ハンズオフ制御やナビとの連携機能を搭載し、大幅に機能が向上しました。

 高速道路上で、全車速追従クルーズコントロール(ACC)を使って走行中に、50km/h以下になるとハンズオフできるのに加え、ナビと連携し、前方にカーブを確認したら予め減速するほか、料金所でもETCの通過速度まで減速したりと、あったらうれしい機能が装備されています。

 BMWのシステムと比較すると、ナビと連携したことで、料金所やカーブ走行時の走行速度を自動的に調整してくれる利便性の高い機能があることが魅力。操作性も、ハンズオフに切り替える度にスイッチを操作する必要がないので、煩わしさはありません。

 一方で、ナビと連携して緻密な制御ができるにもかかわらず、ハンズオフの作動速度域が狭いところは、今後の改良に期待したいところです。

スバルの「アイサイトX」は、ナビと連携したことで、カーブ前と料金所前で速度制御してくれるのが魅力。今後、ハンズオフの作動域がもっと広がることを期待したい
スバルの「アイサイトX」は、ナビと連携したことで、カーブ前と料金所前で速度制御してくれるのが魅力。今後、ハンズオフの作動域がもっと広がることを期待したい

2位 日産「プロパイロット2.0」

 2019年にマイナーチェンジをうけたスカイラインに搭載された、プロパイロット2.0。最大の特徴は、ナビにルートを設定すると、高速道路の出口まで、運転者の操作をサポートしてくれる、ナビ連動ルート走行機能が備わっていることです。

 この機能は、システム登録済の特定の高速道路のみですが、分岐に直面したとき、クルマが適切なルートを見つけ、運転者に車線変更を提案し、承認されると、運転者のハンドル操作をサポートします。ハンズオフの作動領域も速度の制限がありません。

 ハンズオフの設定方法もシンプル。ナビでルートが設定されていれば、プロパイロット2.0スイッチを押した状態で、開始スイッチを押すだけ。あとは、クルマが表示するハンズオフの可否に従えばOKです。車線変更は、クルマから提案を受けたとき、状況を確認して承諾ボタンを押す必要がありますが、あとはクルマが自分で車線変更してくれます。

 アイサイトXやBMWの機能と比べ、ハンズオフ制御に速度制限がないこと、ナビ連動ルート走行機能を備え、道案内もクルマが手伝ってくれるため、知らない地域でも安心して移動できる点が魅力。先日限定販売された「アリアlimited」にも採用されており、今後は他のクルマへの普及も期待されます。

プロパイロット2.0の魅力は、なんといっても「ナビ連動ルート走行機能」。ハンズオフに速度制限がない点も、技術力の高さがうかがえる
プロパイロット2.0の魅力は、なんといっても「ナビ連動ルート走行機能」。ハンズオフに速度制限がない点も、技術力の高さがうかがえる

1位 トヨタ「アドバンスドドライブ」

 現在、トヨタ「MIRAI」とレクサス「LS」に採用されている、トヨタのアドバンスドドライブは、優れたセンシング技術を使って、合流付近でもハンズオフ制御を実現しており、現時点、技術的に最も高度なシステムといえます。

 合流付近以外にも、大型車を追い越すときは、追い越しをする車線枠の中でも、より右寄りを走行し、自車の前方へ合流してくる車両があるときは、減速して車間を調整する機能も。また、システムから車線変更の提案を受けると、ハンドルを持った後、ミラーを確認するだけで車線変更をしてくれる、という、自然な動きでの操作を実現しています。

 システムの起動も、セットスイッチを1度押しておけば、あとはメーターに表示される指示や提案に従って、運転者が対応するだけ。ナビ連携ルート案内もハンズオフ制御も備わっており、プロパイロット2.0とは近しい技術内容ですが、合流地点でのハンズオフ制御の維持、車線内の横位置制御など、細やかな配慮が加わっている点で優れいるといえます。

 トヨタは、納車後のLSやMIRAIのアドバンスドドライブは、随時アップデートしていくと宣言しており、今後、このシステムをどのように昇華させるのか、楽しみです。

)現時点、技術的に最も高度なシステムといえる、トヨタの「アドバンスドドライブ」。プロパイロット2.0よりも、より細やかな配慮が備わっていることがポイント
)現時点、技術的に最も高度なシステムといえる、トヨタの「アドバンスドドライブ」。プロパイロット2.0よりも、より細やかな配慮が備わっていることがポイント

次ページは : 参考:ホンダ「ホンダセンシングエリート」

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