さる2021年5月にお披露目。正式に日本で発売開始されたシボレー新型コルベット。ハードトップコンバーチブルを導入、またFRからミドシップへと変更、そして何より右ハンドル設定といった「日本向け仕様」をも取り入れたれ、公道で試乗する機会を得た。そこで、ホンダ NSX、レクサス LC500コンバーチブル、ポルシェ 718ケイマン…車両価格でいえば計7000万円超の日米独4台の華々しい競演が実現した!!!
●日米独スーパースポーツの共演! 試乗ラインナップ
・シボレー コルベット
・ホンダ NSX
・レクサス LC500コンバーチブル
・ポルシェ 718ケイマン
※本稿は2021年7月のものです
文/松田秀士 写真/ベストカー編集部 撮影/池之平昌信
初出:『ベストカー』2021年8月26日号
【画像ギャラリー】こんな共演最初で最後!!? 日米独のスーパースポーツ4台をギャラリーでチェック!
■日本の公道初試乗! コルベットを試す!!
先代の「C7」から継承したパーツはひとつ。それ以外はすべて新開発、新設計という正真正銘のフルモデルチェンジ。コルベットはロングノーズ&ショートデッキのFRスポーツの代名詞だったが、駆動方式をFRからMRに変更。
実は筆者、C6(先々代)に1年間乗っていたことがあり、FRコルベットの魅力はよくわかっている。
またこの時代にFIA GT選手権の鈴鹿1000kmでオレカチームのダッジバイパーをドライブしたこともあり、ロングノーズのアメリカンスポーツの個性は楽しさにあふれていたことも知っている。
じゃあ新型コルベットの違いは何? 楽しいの?
まず前述したようにミドシップ化でエンジンが前から後ろに引っ越したことでシャシーは新開発、カーボンではなく金属のスペースパイプ方式を採用。
実はこのほうが事故などでのリペアが容易なのだ。しかもコストが安く火災にも強い。サスペンションはこれまでの樹脂製リーフからコイルスプリングに。
エンジンは大幅にリファインされ6.2LのLT2(502ps/65.0kgm)に、トランスミッションは8速のデュアルクラッチになったのだ。
まるで戦闘機のコックピットのようなレイアウトに、ステアリングを握った瞬間のアゲアゲ感は最高潮に達する。
空調用のディンプルが開いたシートもホールド性は上モノ。先代のC7もフードが低く前方視界バツグンだったがC8はさらに上を行く。ただし後方視界は狭く、デジタルミラーでフォローする。
そんなこともあり市街地を含めた一般道では、この手のスポーツのなかでも極上の運転のしやすさ。コンビニまでチョイ乗りもイージーな感じ。
今回の試乗中に首都高の渋滞にも遭遇したが、デュアルクラッチの断続もスムーズで使い勝手はいい。
超高速も体験しているが、C7と比較して明らかに直進安定性が素晴らしい。
そしてワインディングではC7の個性でもあったリーフ式の独特なストローク感はなくなった。微小舵から中舵に至るまでのスムーズな回頭性が、誰でも普通にドライブできるハンドリングなのだ。
ここはC7までのFRコルベットマニアに受け入れられるかは疑問だが、走行性能レベルが大きく進化していることは間違いない。
今回、英国での販売を狙って初めて右ハンドル仕様をリリースしたのだが、よくあるやっつけ感は皆無でその完成度は高い。
同時に、ハンドリングについてもグローバルで門戸を開いた最新のC8に正常進化したと考えるべきだろう。
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