クルマは使っていても使っていなくても劣化していくもの。点検やメンテナンスを怠っていると、気づかないうちに違反している状態になってしまうこともある。
たとえば、ヘッドライト。点灯する状態でなければならないのはもちろんだが、左右で明るさが違っている、なんてことになっていないだろうか。今回は、思いがけずに違反となってしまうクルマの状態を4つご紹介しよう。
文:吉川賢一
アイキャッチ画像:AdobeStock_瑛之 新井
写真:AdobeStock、写真AC
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左右で明るさが違うヘッドライト
現在(2021年9月時点)の道路運送車両法の保安基準では、ヘッドライトの色は、白色と規定されている。ただし、2005年12月31日以前に登録されたクルマに関しては、白色または淡黄色となっており、黄色のバルブやHIDでも車検に通る。
ヘッドライトには他にも、左右で同じ明るさ、同じ色味、同じデザイン、と左右対称であることが求められている。ランプの数はハイビームで2灯または4灯、ロービームで2灯。色温度については、はっきりした規定がなく、おおまかに3500~6000K(ケルビン)程度といわれている。
屋外の駐車場などで、左右どちらかのヘッドライト部だけに紫外線が多くあたってしまっていると、紫外線によってカバーが曇ってしまい、バルブ自体は左右同じ明るさ、同色であっても、明るさに左右差が生じてしまう可能性がある。カバーが破損し、割れやキズがある場合も、その部分から光が漏れ出してしまうことから、車検には通らない。
また、中古車販売店で購入した、知人・友人からクルマを購入した、という場合には、破損や事故、好みなどの何らかの事情で、バルブ交換がなされている可能性もあり得る。社外品のバルブに交換してしまっていると、リフレクターなどに反射したときの明るさが足りないことも考えられるため、購入時にはよく確認した方がいい。
オイル漏れNG
エンジンやトランスミッション、油圧パワステなど、クルマにはいくつかのオイルが使われているが、これらのオイルはすこし滲み出た程度でも、整備不良となり、車検には通らない。
オイル漏れの主な原因は、パッキンやシール材の劣化だ。古いクルマや過走車に多いトラブルだが、なかには、事故などの衝撃によってパーツが変形して漏れたり、自分で行った改造が原因、という場合もあるようだ。
クルマは、多少オイルが漏れていたとしても、すぐさまエンジンが止まってしまうことはないが、オイル漏れは、環境保全の観点からも、即座に修理すべき。場合によっては、修理代が高額になることも考えられるが(筆者も、油圧パワステのラック本体からオイル漏れを起こし、10万円近い見積もりが出た)、メンテナンスの経験と知識がない場合には、自身で応急処置をしようとは考えず、即座にディーラーや整備工場へ相談してほしい。
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