■丸目のSUV
丸目が最も目につくカテゴリーはSUV系だ。前述のジムニー、スペーシアギア、ハスラーに加えて、ダイハツのキャストもSUV系。登録車ではクロスビーもクロスオーバーSUVだ。
輸入車では、本格的なオフロード4WDモデルの丸目が、強烈な存在感を発揮している。ジープラングラー/レネゲード、メルセデスGクラスが見事な丸目なのだ。
最近ここに、ランドローバーの新型ディフェンダーが加わった。正確には四角い目の中に上部が欠けた丸が入っている形だが、これも丸目の仲間に入れていいだろう。
ディフェンダーの存在感と人気ぶりを見ると、近い将来、レンローバー系にも、ディフェンダーのような隠れ丸目が登場する予感がする。
また、ラングラーとGクラスは、言うまでもなくオフロード界の偉大なるアイコンであり、世界中で人気となっている。丸目人気は全世界的なものなのだ。
これらのモデルは、フォムルそのものがレトロな真四角タイプなので、丸目が非常によく似合う。四角いクルマは、フォルムが幾何学的なので、同じく幾何学的な丸目が似合いやすい。
■スポーツカーデザインのトレンドは丸目の兆しあり!?
四角いボディといえば、N-BOXのヘッドライトも、四角の中に丸目だ。N-BOXは、ここ数年来、国内販売トップの座に君臨し続けている。実は日本の自動車業界は、丸目に支配されていた……と言えなくもない。
だんだん、丸目こそがヒットの秘訣という、「丸目陰謀論」が、現実味を帯びてきた。
歴史の長いクルマや、リバイバルカーは、SUVならずとも丸目が主流。ポルシェ911、MINI、フィアット500、ホンダeがそれに当たる。
今後丸目が広がりそうなのは、スポーツカーの分野だろう。なにしろ、懐古的なデザインが主流になりつつあるのだから。先日北米で発表された新型フェアレディZも、瞳型のヘッドライトで、丸目と言えなくもない。
その他現行モデルでは、正規輸入はされていないが、ダッジチャレンジャーが丸目4灯だ。かつて一般的だった丸目4灯だが、今や世界中見渡しても、チャレンジャーだけかもしれない。
丸目4灯は、かつての117クーペをはじめとして、中高年世代にとっては見るだけで涙が出る存在だが、このチャレンジャー、2008年の登場ながら、本国アメリカでは、マスタングとともに年間約6万台も売れている。
映画『ワイルドスピード』シリーズで大活躍している影響もあるだろう。丸目はカワイイだけじゃない。超武闘派にもなりうるのだ! 現行カマロやマスタングは、小さめの異形ヘッドライトだが、どちらもレトロ系のデザインだけに、次期モデルは丸目で登場する確率が高いと見る。
アルピーヌA110も、元祖は丸目。それに倣って、かなりの異形だが丸っこい目をしているし、鼻の孔(フォグランプ)は完全な丸だ。
マツダロードスターも、次期型は丸目になる気がしないでもない。初代のリトラクタブル丸目をほうふつとさせるような、デザイン上の工夫に期待したい。ひょっとして次期ロードスターはEVになっているかもしれないが、EVだからこそ、懐かしい裸電球っぽさに期待! なんつって。
今後も丸目はあくまで少数派だろうが、その存在感は、今後も徐々に増していくだろう。なにしろ丸目は隠れヒットの秘訣なのだから。
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