2021年8月18日、リモートで正式発表された新型フェアレディZ。日本では今冬の発売が予定されている。
2020年9月にプロトタイプが公開されてからというもの、そのデザインについて何かと話題になっている。「当時と安全基準が違う中でよくここまで初代に似せてくれた」という声もあれば、「どうせ似せるならもっと徹底的に似せてほしかった」という声もある。
新型フェアレディZのデザインについて清水草一氏に考察してもらった。
文/清水草一、写真/NISSAN
【画像ギャラリー】Zらしい、Zらしくない、自分ならこうする etc……新型フェアレディZのデザインを考える
■このデザイン、Zらしい? それともZっぽくない?
8月18日、リモートにて、新型フェアレディZが正式発表された。日本での発売は今冬とのことだ。
リモート発表なので、当然実車は見ていないが、昨年発表されたプロトタイプから変更された部分は、特に見つけられなかった。あったとしても間違い探しレベルの小さなもので、フォルム全体の印象は変わらないだろう。
で、どうだろう、このデザイン?
世界中で、飛ばせる場所はサーキットくらいになり、スピードが一種「空想上のもの」になりつつある現在において、スポーツカーはデザインが命。次に操作感とかそういう感性的な部分ではなかろうか。
加えて伝統や歴史などのステイタス性だ。スーパースポーツカーの場合はステイタス性の比重が極端に高くなるが、Zくらいのスポーツカーは、見た目が一番重要だと考えている。
で、その見た目は、新しさよりもクラシカルであることに価値がある。Zのような歴史あるスポーツカーならなおさらのこと。なにしろスポーツカーには未来がない。少なくとも見えないのだから、見るなら後ろ(過去)しかない。
そういう意味で新型Zは、明確に回顧的なデザインになっている。シャシーベースは先代のキャリーオーバーなので、プロポーションそのものは先代から大きく変わっていないが、フロントオーバーハングの延長でロングノーズ感を演出し、ディテールは最大限、初代や歴代Zの雰囲気を出そうと努力している。
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